最終更新日: 2024-03-13

不動産所得

 
不動産所得のイメージ

不動産所得とは

 
不動産所得とは、
 

  • 土地、建物等の不動産の貸付け
  • 借地権、地上権、永小作権の不動産の上に存在する権利の設定および貸付け
  • 船舶、航空機の貸付け

 
による所得のことです。


不動産所得の計算

 
不動産所得の金額は、次の式で計算します。
 

不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費

 
総収入金額に含まれる主なものは、次のとおりです。
 

  • 資産の貸付けによる賃貸料収入
  • 名義書換料、承諾料、更新料、頭金、礼金等の名目で受領するもの
  • 敷金や保証金等のうち、賃借人への返還が不要なもの
  • 共益費等の名目で受け取る電気代、水道代、掃除代等

 
必要経費とすることができる主なものは、次のとおりです。
 

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 損害保険料
  • 貸家に係る減価償却費
  • 貸家に係る修繕費
  • 賃地、貸家に係る(賃貸開始後の)借入金の利子
  • 管理費
  • 仲介手数料
  • 立ち退き料
  • 事業専従者控除額(白色申告者)
  • 青色事業専従者給与(青色申告者)

 
なお、貸付けを事業的規模で営んでいる場合は、老朽化に伴い建物を取り壊した際に生じた資産損失(除去損失等)の全額を必要経費とすることができます。
事業的規模でない場合には、不動産所得の金額が必要経費として算入できる上限となります。
つまり、事業的規模でない場合は、資産損失により赤字になった金額を他の所得と損益通算することはできません。
 
事業的規模の判断はあくまでも社会通念上、事業といえる程度の規模で貸付けが行われているかどうかの実質判断で行います。
しかし、形式基準として建物の貸付けであれば、独立家屋は概ね5棟以上、アパート等は概ね10室以上、駐車場であれば概ね50台以上、貸地であれば概ね50件以上を事業的規模として判断することもできます。
 
また、生計を一にする配偶者その他の親族がマンション管理等の職務に専従している場合で、かつ、貸付けが事業的規模の場合は、白色申告者であれば事業専従者控除額を、青色申告者であれば青色事業専従者給与を必要経費に算入することができます。
【参考リンク】青色申告・白色申告
 
不動産所得の規模による取扱いの違いは、下表のとおりです。
 

 

事業的規模

事業的規模以外

青色申告

できる

できる

青色申告特別控除額

55万円または65万円 ※

10万円

青色事業専従者給与
白色事業専従者控除

必要経費に算入できる

必要経費に算入できない

資産損失

全額を必要経費に算入 資産損失を控除する前の所得金額を限度とする

貸倒引当金

回収不能となったその年の必要経費となる

収入に計上した年にさかのぼってその回収不能に対する所得がなかったものとして取り扱う

損益通算

できる

できる

純損失の繰越控除

できる(青色申告のみ)

できる(青色申告のみ)

事業税

かかる

かからない

延納に係る利子税

必要経費に算入できる

必要経費に算入できない

※「65万円の青色申告特別控除額」は、55万円の適用要件に加えてe-TAXによる申告等をすることで適用されます。


不動産所得の税額の計算

 
不動産所得は、総合課税の対象となり、確定申告が必要です。
なお、不動産所得の金額が赤字の場合、他の黒字の所得との損益通算ができます。
ただし、不動産所得の金額の赤字のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算はできません。