最終更新日: 2024-03-13

退職所得

 
退職所得のイメージ

退職所得とは

 
退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当や一時恩給等の所得のことです。
また、社会保険制度等により退職に起因して支給される一時金、確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける一時金で加入者の退職により支払われるもの等も退職所得とみなされます。


退職所得の計算

 
退職所得の金額は、次の式で計算します。
 

退職所得 = ( 収入金額 − 退職所得控除額 ) × 1/2

 
なお、勤続年数が5年以下の場合の退職所得の金額は、次の式で計算します。
 
特定役員退職手当等
 

役員等勤続年数が5年以下の役員等が受ける役員等勤続年数に対する退職所得の金額
退職所得 = ( 収入金額 − 退職所得控除額 )

 
短期退職手当等
 

勤続年数5年以下の人(役員等を除く)が受ける退職金で、退職所得控除額の控除後の金額が300万円以下の場合
退職所得 = ( 収入金額 − 退職所得控除額 ) × 1/2
 
勤続年数5年以下の人(役員等を除く)が受ける退職金で、退職所得控除額の控除後の金額が300万円超の場合
退職所得 = 300万円 × 1/2 + ( 収入金額 − 退職所得控除額 − 300万円 )

退職所得控除額

 
退職所得控除額は、下表のように計算します。
 

勤続年数

退職所得控除額

20年以下

40万円 × 勤続年数(80万円未満の場合は80万円)

20年超

800万円 + 70万円 × ( 勤続年数 − 20年 )

※1年未満の勤続年数は、1年に切り上げて計算します(例:勤続年数が10年2か月の場合、勤続年数を11年として計算します)。
※障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上表で計算した額に100万円を加算した金額となります。
※2か所以上から退職金を同一年中に受けた場合は、それぞれの勤続年数(加入年数)のうち最も長い勤続年数(加入年数)で計算します。ただし、最も長い期間以外の期間のうち、最も長い期間と重複していない期間がある場合は、重複していない部分の期間を最も長い期間に加算して計算します。


退職所得の税額の計算

 
退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算する分離課税の対象となります。
 
退職手当等の支払いの際に、退職所得の受給に関する申告書を提出した場合は、退職手当等の支払者が退職所得の金額に所得税の超過累進税率を適用して所得税額を計算し、源泉徴収(併せて住民税10%が特別徴収)されるため、原則として確定申告の必要はありません。
 
一方、退職所得の受給に関する申告書を提出しなかった場合は、退職手当等の支払金額に対して20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)が源泉徴収(併せて住民税10%が特別徴収)されるため、退職手当等の受給者本人が確定申告を行ない、適正な税額との差額を精算する必要があります。