預貯金者の保護等に関する法律
最終更新日: 2024-07-06

預貯金者の保護等に関する法律とは

 
正式には「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」といい、偽造カード等又は盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等による被害が多数発生していることにかんがみ、これらのカード等を用いて行われる機械式預貯金払戻し等に関する民法の特例等について定めるとともに、これらのカード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等の防止のための措置等を講ずることにより、これらのカード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護を図り、あわせて預貯金に対する信頼を確保し、国民経済の健全な発展及び国民生活の安定に資することを目的とした法律です。


盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し等の額に相当する金額の補てん等

 
預貯金者は、自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において、次に掲げるいずれにも該当するときは、預貯金等契約を締結している金融機関に対し、盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しの額に相当する金額の補てんを求めることができます。
 

  • 真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと
  • 金融機関の求めに応じ、遅滞なく、盗取が行われるに至った事情その他の盗取に関する状況について十分な説明を行ったこと
  • 金融機関に対し、捜査機関に対して盗取に係る届出を提出していることを申し出たことその他盗取が行われたことが推測される事実として内閣府令で定めるものを示したこと

 
ただし、金融機関が、機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて善意無過失及び機械式預貯金払戻しが預貯金者の過失(重大な過失を除く)により行われたことを証明した場合は、その補てんを行わなければならない金額は、補てん対象額の3/4(75%)に相当する金額となります。

また、金融機関が、次に掲げるいずれかに該当することを証明した場合には、補てんの求めをした預貯金者に対して、補てんを行う必要はありません。
 

  • 補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて金融機関が善意でかつ過失がないこと及び次のいずれかに該当すること
    イ 機械式預貯金払戻しが預貯金者の重大な過失により行われたこと
    ロ 機械式預貯金払戻しが預貯金者の配偶者、二親等内の親族、同居の親族その他の同居人又は家事使用人によって行われたこと
    ハ 預貯金者が、金融機関に対する説明において、重要な事項について偽りの説明を行ったこと
  • 当該盗難カード等に係る盗取が戦争、暴動等による著しい社会秩序の混乱に乗じ、又はこれに付随して行われたこと

金融機関の補償割合

 
預貯金者の過失の有無や過失の程度によって、下表のとおり補償額が定められています。
 

 

偽造カード被害

盗難カード被害

金融機関の補償割合

預金者の故意でなく、預金者に重過失がない場合:100% 預金者に過失がない場合:100%
預金者に過失がある場合:75%
預金者に重過失がある場合:0%
※盗難通知前30日の間の不正支払いが補償の対象

金融機関が免責となる場合

預金者の故意又は預金者に重過失がある場合

・預金者に重過失がある場合
・預金者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または同居人、家事使用人による盗難の場合
・被害状況の虚偽説明があった場合

 
偽造カード被害や盗難カード被害において重過失となる主な例は、次のとおりです。
 

  • 本人が他人に暗証番号を知らせた場合
  • 本人が暗証番号をカード上に記載していた場合
  • 本人が他人にカードを渡した場合

 
また、盗難カード被害において過失となる主な例は、次のとおりです。
 

  • 金融機関から生年月日等の類推されやすい暗証番号から別の番号に変更するよう個別的、具体的、複数回にわたる働きかけがあったにもかかわらず、生年月日、自宅の住所、地番、電話番号、勤務先の電話番号、自動車等のナンバーを暗証番号にしていた場合であり、かつ、カードをそれらの暗証番号を推測させる書類等(免許証、健康保険証、パスポート等)とともに携行・保管していた場合
  • 暗証番号を容易に第三者が認知できるような形でメモ等に書き記し、かつ、カードともに携行・保管していた場合