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中小企業の資金計画をFPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-10-24

財務状況の把握方法

 
企業の財務状況は、財務諸表に記載されたデータを分析することで把握できます。
主な財務諸表は、以下のとおりです。

詳細については、各リンクをご確認ください。
なお、中小企業では、キャッシュフロー計算書や株主資本等変動計算書の作成が義務付けられていない場合があります。


資金運用表(資金源泉運用表)とは

 
資金運用表(資金源泉運用表)とは、一定期間における貸借対照表を比較し、資金がどこから調達され、どのように運用されたかを分析するための資料です。現在ではキャッシュフロー計算書が広く活用されていますが、資金の増減要因や財務構造の変化を把握する際に利用されることがあります。


資金繰り表とは

 
資金繰り表とは、一定期間における現金収入と現金支出を記録し、実際の資金の流れを把握・予測するための資料です。日次・週次・月次などの単位で作成され、資金不足の防止や資金管理に活用されます。


中小企業の資金調達方法

 
企業は、経営活動に必要な資金をさまざまな方法で調達します。また、調達した資金は、その用途に応じて運転資金と設備資金に分類されます。

  • 運転資金:仕入代金や人件費、家賃、光熱費など、日常の事業活動に必要な資金
  • 設備資金:機械設備や車両、建物などの取得・更新に必要な資金

 

内部資金

 
内部資金とは、企業が事業活動によって生み出し、社内に留保した資金のことです。一般的には、以下のように表されます。
 

内部資金 = 留保利益 + 減価償却費 = ( 税引前当期純利益 − 法人税等 − 配当金 ) + 減価償却費
※減価償却費は会計上の費用ですが、実際の現金支出を伴わないため、企業の資金創出に寄与します。

 

直接金融(資本市場からの調達)

 
直接金融とは、金融機関を介さずに、投資家から直接資金を調達する方法です。
主な方法は、以下のとおりです。

  • 株主割当増資
    既存株主に対して、保有株式数に応じて新株を引き受ける権利を与え、出資を募る方法です。
  • 第三者割当増資
    特定の第三者に新株を割り当てる方法で、資本提携や事業提携、企業再生などの際に活用されます。
  • 公募増資
    不特定多数の投資家から広く出資を募る増資方法で、主に上場企業が実施します。
  • 私募債の発行
    特定の投資家を対象として社債を発行する方法です。適格機関投資家を対象とする「プロ私募」のほか、少人数の投資家を対象とする「少人数私募債」などがあります。
  • 公募債の発行
    不特定多数の投資家を対象として社債を発行する方法です。

 

間接金融(金融機関からの借入)

 
間接金融とは、銀行などの金融機関を介して資金を調達する方法です。
主な方法は、以下のとおりです。

  • 手形貸付
    金融機関に約束手形を差し入れて融資を受ける方法です。借入期間が比較的短いため、つなぎ資金や短期の運転資金の調達に利用されることが多くあります。
  • 証書貸付
    金銭消費貸借契約証書を取り交わして融資を受ける方法です。一般的に長期の借入れに利用されることが多く、設備資金の調達などに活用されます。
  • 当座貸越
    定期預金などを担保として、普通口座の残高が不足した場合に自動的に借入れできる仕組みのことです。あらかじめ設定した融資限度額の範囲内で、必要に応じて借入れや返済を行うことができます。短期的な資金需要に柔軟に対応できるという特徴があります。
  • インパクトローン
    資金使途に制限のない外貨建ての融資方法です。借入時と返済時の為替相場の変動により、為替差益や為替差損が生じる場合があります。ただし、事前に為替予約を利用することで、返済時の為替レートを固定し、為替変動リスクを軽減することが可能です。
  • デリバティブローン
    通常の借入れに金利スワップや金利オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込み、金利変動リスクの軽減を図る融資方法です。
  • ABL(Asset Based Lending、動産・債権担保融資)
    企業が保有する在庫や売掛債権、機械設備などの事業資産を担保として資金を調達する方法です。不動産担保に依存しない資金調達手法として活用されています。

 

その他の資金調達方法

 

  • リース
    機械設備などをリース会社が購入し、その設備を企業に一定期間貸し出す方法です。多額の初期投資を抑えながら設備を利用できるというメリットがあります。
  • ファクタリング
    売掛債権をファクタリング会社などに譲渡し、支払期日前に現金化するサービスです。融資とは異なり債権売買であるため、一般的には借入金として計上されず、資金調達の選択肢の一つとして利用されています。

FP試験対策チェックポイント

 
FP試験では、次のポイントを重点的に押さえておくと得点源になります。
 
① 財務状況の把握方法

  • 損益計算書(P/L)は一定期間の経営成績(利益・損失)を示す
  • 貸借対照表(B/S)は一定時点の財政状態を示す
  • キャッシュフロー計算書(C/F)は現金および現金同等物の増減を示す
  • 株主資本等変動計算書は純資産の変動状況を示す
  • 財務分析ではP/L・B/S・C/Fの役割の違いを押さえる

 
② 直接金融

  • 投資家から直接資金を調達する方法
  • 株式発行による資金調達のため、返済義務がない
  • 社債は返済義務がある

 
③ 間接金融

  • 銀行などの金融機関を介して資金を調達する方法
  • 借入金には返済義務がある

 
④ インパクトローン

  • 資金使途に制限のない外貨建ての融資方法
  • 為替リスクを軽減できる

 
⑤ デリバティブローン

  • 通常の借入れに金利スワップや金利オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込む方法
  • 金利変動リスクを軽減できる

 
⑥ ABL(Asset Based Lending、動産・債権担保融資)

  • 企業が保有する在庫や売掛債権、機械設備などの事業資産を担保として資金を調達する方法
  • 不動産担保がなくても利用可能

 
⑦ ファクタリング

  • 融資ではなく債権譲渡
  • 売掛債権を早期に資金化できる