中小企業の資金計画
最終更新日: 2025-10-04

財務状況の把握

 
企業の財務状況は、財務諸表に記載されたデータを分析することで把握できます。主な財務諸表は以下のとおりです。

  • 貸借対照表B/S
  • 損益計算書P/L
  • キャッシュフロー計算書C/F
  • 株主資本等変動計算書

貸借対照表

 
貸借対照表は、決算日時点の企業の資産・負債・純資産の状況を一覧で示す表です。
表の左側には資産が示されます。1年以内に現金化される資産(流動資産)と、1年超保有される資産(固定資産)が記述されます。
表の右側には負債及び純資産が示されます。1年以内に返済期限が到来する負債(流動負債)、1年超で返済期限が到来する負債(固定負債)と、資本金や余剰金などの会社の元手となる資本(株主資本)が記述されます。


損益計算書

 
損益計算書は、一定期間の収益と費用を集計し、利益を算出する書類で、企業の経営成績を示します。記述される主な項目は以下のとおりです。

  • 売上高
  • 売上原価
  • 売上総利益(= 売上高 − 売上原価)
  • 販売費及び一般管理費
  • 営業利益(= 売上総利益 − 販売及び一般管理費)
  • 営業外収益
  • 営業外費用
  • 経常利益(= 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用)
  • 特別利益
  • 特別損失
  • 税引前当期純利益(= 経常利益 + 特別利益 − 特別損失)
  • 法人税等
  • 当期純利益(= 税引前当期純利益 − 法人税等)

キャッシュフロー計算書

 
キャッシュフロー計算書は、資金の流入・流出を活動別に示す財務諸表です。以下の3つの区分で構成されています。

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

なお、キャッシュフロー計算書の作成・開示は、金融商品取引法に基づき、有価証券報告書提出企業に義務付けられています。


株主資本等変動計算書

 
株主資本等変動計算書は、純資産の部における各項目の変動状況を示す財務諸表です。資本金、資本剰余金、利益剰余金などの増減を把握できます。


資金運用表

 
資金運用表は、2つの時点の貸借対照表を比較し、資金の運用と調達の状況を分析する表です。年次・月次などの期間で資金の流れを把握するのに役立ちます。


資金繰り表

 
資金繰り表は、一定期間の現金収入と支出を記録し、実際の資金の流れを把握・予測するための表です。日次・週次・月次などで作成され、資金管理に活用されます。


資金調達の方法

 
企業は、経営活動に必要な資金を以下の方法で調達します。資金の用途に応じて運転資金設備資金に分類されます。

自己資金

 
企業内部で獲得した資金で、以下の式で算出されます。
 

自己資金 = 留保利益 + 減価償却費 = ( 税引前当期純利益 − 法人税等 − 配当金 ) + 減価償却費

直接金融(資本市場からの調達)

 

株主割当

既存株主に新株予約権を与える増資方法

第三者割当増資

特定の第三者に新株を割り当てる方法(資本提携・再建など)

公募増資

不特定多数の投資家から資金を募る方法(株式公開企業で主流)

私募債の発行

特定の投資家向けに社債を発行(プロ私募・少人数私募債)
金融機関等の適格機関投資家を引受先とするプロ私募と、企業の取引先や親族等の縁故者等、少数(50人未満)の投資家を引受先とする少人数私募債がある

公募債の発行

不特定多数の投資家向けに社債を発行する方法

間接金融(金融機関からの借入)

 

手形貸付

約束手形を差し入れて融資を受ける方法

証書貸付

金銭消費貸借契約証書を用いて融資を受ける方法

当座貸越

当座預金残高の不足分を金融機関が立て替える融資方法

インパクトローン

外貨建てで融資を受ける方法

デリバティブローン

デリバティブ取引(スワップ・オプション・先物等)を組み込んだ融資方法

ABL(動産・債権担保融資)

在庫や売掛金などを担保として融資を受ける方法

その他の資金調達方法

 

リース

機械設備などをリース会社から借りる方法

ファクタリング

売掛債権を金融機関等に売却し、資金を得る方法