小規模企業共済
最終更新日: 2025-10-04

小規模企業共済とは

 
小規模企業共済は、小規模企業の経営者・役員・個人事業主などを対象とした、積立型の退職金制度です。加入対象者は、以下の条件を満たす方です。

  • 常用従業員数が20人以下の企業の経営者・役員(商業・サービス業のうち、宿泊業・娯楽業を除く業種は5人以下
  • 個人事業主(共同経営者がいる場合は、2人まで加入可能

小規模企業共済の掛金

 
掛金は月額1,000円〜70,000円の範囲内で、500円単位で自由に設定可能です。ただし、同月内での掛金額の再変更はできません。
掛金の支払い方法は、月払い・半年払い・年払いがあります。それ以外にも、まとめて支払う一括納付も可能です。なお、一括納付の場合、掛金月額と前納期間に応じて前納減額金が支払われます。


小規模企業共済の共済金等の種類と請求事項

 
共済金等の種類は、加入者の立場(個人事業主・共同経営者・会社等役員)と請求事由によって異なります。共済金等には、共済金A共済金B準共済金解約手当金があります。それぞれ、どのような事由が生じたときに請求できるのかが決まっています。加入者の立場ごとの、共済金等の請求事由は以下のとおりです。
 
個人事業主

共済金等の種類

請求事由

備 考

共済金 A

個人事業を廃業した場合

複数の事業を営んでいる場合は、すべての事業を廃止したことが条件です。

2016(平成28)年3月以前に、配偶者又は子へ事業の全部を譲渡したことにより廃業した場合は「準共済金」となります。

共済契約者が死亡した場合

共済金 B

老齢給付

65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ人が対象です。

仕事を続けたまま、共済金を請求できます。

準共済金

個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなった場合

2010(平成22)年12月以前に加入した個人事業主が、全額金銭出資により法人成りをしたときは、左記に該当する場合でも「共済金A」となります。

2016(平成28)年3月以前に、配偶者又は子へ事業の全部を譲渡した場合

解約手当金 任意解約

共済契約者による任意の解約です。

機構解約

掛金を12か月以上滞納した場合に、中小機構が行う解約です。

個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした場合

2010(平成22)年12月以前に加入した個人事業主が、全額金銭出資により法人成りをしたときは、左記に該当する場合でも「共済金A」となります。

※共済金A・Bの請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が6か月未満の場合、共済金A・Bは受給できません。
※準共済金・解約手当金の請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が12か月未満の場合、準共済金・解約手当金は受給できません。

 
個人事業主の共同経営者

共済金等の種類

請求事由

備 考

共済金 A

個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合

事業主が複数の事業を営んでいる場合は、そのすべての事業を廃止したことが条件です。

事業主が2016(平成28)年3月以前に配偶者又は子へ事業の全部を譲渡したことに伴い、共同経営者が配偶者又は子へ共同経営者の地位を譲渡して退任したときは「準共済金」となります。

疾病・負傷により共同経営者を退任した場合

共済契約者が死亡した場合

共済金 B

老齢給付

65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ人が対象です。

仕事を続けたまま、共済金を請求できます。

準共済金

個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなった場合

個人事業主が2016(平成28)年3月以前に配偶者又は子へ事業の全部を譲渡したことに伴い、共同経営者が配偶者又は子へ共同経営者の地位を譲渡して退任した場合

解約手当金 任意解約

共済契約者による任意の解約です。

機構解約

掛金を12か月以上滞納した場合に、中小機構が行う解約です。

共同経営者を任意に退任した場合

転職、独立開業、のれん分け等で共同経営者を退任した場合も、任意退任扱いとなります。

個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした場合

※共済金A・Bの請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が6か月未満の場合、共済金A・Bは受給できません。
※準共済金・解約手当金の請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が12か月未満の場合、準共済金・解約手当金は受給できません。

 
会社等役員

共済金等の種類

請求事由

備 考

共済金 A

会社等が解散した場合

会社が破産した場合も該当します。

共済金 B

疾病・負傷により役員を退任した場合

65歳以上で役員を退任した場合

退任日が2016(平成28)年3月以前の場合は、疾病・負傷以外の理由による退任をしたときは、65歳以上であっても「準共済金」となります。

共済契約者が死亡した場合

老齢給付

65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ人が対象です。

仕事を続けたまま、共済金を請求できます。

準共済金

法人の解散や疾病・負傷によらず、65歳未満で役員を退任した場合

解約手当金 任意解約

共済契約者による任意の解約です。

機構解約

掛金を12か月以上滞納した場合に、中小機構が行う解約です。

※共済金A・Bの請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が6か月未満の場合、共済金A・Bは受給できません。
※準共済金・解約手当金の請求事由が生じた場合であっても、掛金納付月数が12か月未満の場合、準共済金・解約手当金は受給できません。


小規模企業共済の共済金等の受取方法

 
共済金等の受取方法は、以下の3つの方法から選択できます。

  • 一括受取り
  • 分割受取り
  • 一括と分割の併用受取り

 

分割・併用受取りの要件

 

  • 共済金AまたはBであること
  • 請求事由が共済契約者の死亡でないこと
  • 請求事由発生日に60歳以上であること
  • 共済金額が以下の条件を満たすこと

受取方法

金額要件

分割受取り

300万円以上

併用受取り 330万円以上(分割300万円以上 + 一括30万円以上)

小規模企業共済の共済金等の税法上の取扱い

 
受取方法や年齢に応じて、税制上の扱いが異なります。
 

受取内容

税制上の取扱い

共済金(死亡除く)・準共済金を一括受取り

退職所得

共済金を分割受取り

公的年金等の雑所得
共済金を一括 + 分割併用受取り 一括分:退職所得
分割分:公的年金等の雑所得

死亡による共済金(死亡退職金)

相続税(みなし相続財産)

65歳以上の任意解約・任意退任

退職所得

65歳未満の任意解約・任意退任

一時所得

法人成り後の解約(資格喪失なし)

退職所得

機構解約(12か月以上滞納) 一時所得

小規模企業共済の共済契約者貸付制度

 
納付済み掛金に応じて、以下の貸付制度が利用可能です。

  • 一般貸付け
  • 緊急経営安定貸付け
  • 傷病災害時貸付け
  • 福祉対応貸付け
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付け
  • 事業承継貸付け
  • 廃業準備貸付け