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老齢厚生年金とは?FPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-08-29

老齢厚生年金の受給要件

 
老齢厚生年金を受給するためには、次の2つの要件を満たす必要があります。

  • 老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること
  • 厚生年金保険に1か月以上加入したことがあること

特別支給の老齢厚生年金とは

 
1985(昭和60)年の法改正により、厚生年金保険の受給開始年齢は60歳から65歳へ段階的に引き上げられました。特別支給の老齢厚生年金は、この移行期間中に急激な制度変更による影響を緩和するために設けられた経過措置です。
 

受給要件

 
特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、次のすべての要件を満たしている必要があります。

  • 男性:1961(昭和36)年4月1日以前生まれであること
  • 女性:1966(昭和41)年4月1日以前生まれであること
  • 老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること
  • 厚生年金保険に1か月以上加入したことがあること
  • 60歳以上65歳未満であること

 

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢

 
特別支給の老齢厚生年金は、次の2つの部分で構成されています。

  • 報酬比例部分
    厚生年金加入期間中の報酬額や加入期間に応じて計算される部分です。
  • 定額部分
    一定額が支給される部分です。ただし、生年月日や受給要件によっては支給対象とならない場合があります。

 
これらの受給開始年齢は、生年月日に応じて段階的に引き上げられてきました。その結果、現在は制度の終了に向けた経過措置の段階にあり、最終的には65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給される仕組みとなっています。
なお、女性の受給開始年齢の引上げスケジュールは、男性より5年遅れて実施されています。
 

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢表

老齢厚生年金の受給開始年齢

 
老齢厚生年金は、受給資格期間が10年以上ある人が65歳に達した時点で受給権が発生します。 実際に年金を受け取るためには、原則として年金請求手続きが必要です。老齢厚生年金は請求しなければ自動的には支給されません。
なお、老齢厚生年金は原則として65歳から受給しますが、本人の希望により60歳から64歳までの間に受給を開始する「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に受給を開始する「繰下げ受給」を選択することもできます。


老齢厚生年金の繰上げ受給

 
老齢厚生年金の繰上げ受給とは、65歳で受給を開始する老齢厚生年金を、60歳から64歳までの間の希望する時期から受給できる制度です。
繰上げ受給を選択すると、受給開始を早めた月数に応じて年金額が減額されます。なお、減額後の年金額は生涯にわたって適用され、原則として変更することはできません。
また、老齢厚生年金の繰上げ受給を行う場合は、老齢基礎年金も同時に繰上げ受給する必要があります。
 

繰上げによる減額率

 
減額率は次のとおりです。

  • 1962(昭和37)年4月2日以降生まれの人:1か月につき0.4%
  • 1962(昭和37)年4月1日以前生まれの人:1か月につき0.5%(最大30%)

 

繰上げによる減額率の計算式

 

繰上げによる減額率 = 繰上げ月数 × 減額率(0.4%または0.5%)

 

減額率一覧表

 
1962(昭和37)年4月2日以降生まれの人(1か月あたりの減額率0.4%)

繰上げ月数

60歳

61歳

62歳

63歳

64歳

0か月

24.0%

19.2%

14.4% 9.6% 4.8%

1か月

23.6%

18.8%

14.0% 9.2% 4.4%

2か月

23.2%

18.4%

13.6% 8.8% 4.0%

3か月

22.8%

18.0%

13.2% 8.4% 3.6%

4か月

22.4%

17.6%

12.8% 8.0% 3.2%

5か月

22.0%

17.2% 12.4% 7.6% 2.8%

6か月

21.6%

16.8% 12.0% 7.2% 2.4%

7か月

21.2%

16.4% 11.6% 6.8% 2.0%

8か月

20.8% 16.0% 11.2% 6.4% 1.6%

9か月

20.4% 15.6% 10.8% 6.0% 1.2%

10か月

20.0% 15.2% 10.4% 5.6% 0.8%

11か月

19.6% 14.8% 10.0% 5.2% 0.4%

 
1962(昭和37)年4月1日以前生まれの人(1か月あたりの減額率0.5%)

繰上げ月数

60歳

61歳

62歳

63歳

64歳

0か月

30.0%

24.0%

18.0% 12.0% 6.0%

1か月

29.5%

23.5%

17.5% 11.5% 5.5%

2か月

29.0%

23.0%

17.0% 11.0% 5.0%

3か月

28.5%

22.5%

16.5% 10.5% 4.5%

4か月

28.0%

22.0%

16.0% 10.0% 4.0%

5か月

27.5%

21.5% 15.5% 9.5% 3.5%

6か月

27.0%

21.0% 15.0% 9.0% 3.0%

7か月

26.5%

20.5% 14.5% 8.5% 2.5%

8か月

26.0% 20.0% 14.0% 8.0% 2.0%

9か月

25.5% 19.5% 13.5% 7.5% 1.5%

10か月

25.0% 19.0% 13.0% 7.0% 1.0%

11か月

24.5% 18.5% 12.5% 6.5% 0.5%

 

繰上げ受給を選択する際の注意点

 
繰上げ受給を選択する際は、次の点に注意が必要です。

  • 寡婦年金の受給権がある場合、繰上げ請求が受理されると寡婦年金を受給できなくなります
  • 繰上げ請求後は、国民年金の任意加入被保険者になることができません
  • 繰上げ請求後に障害基礎年金の受給要件に該当した場合でも、65歳になるまでの間に初診日がある傷病による障害基礎年金は受給できません
  • 一度繰上げ請求が受理されると、取消しや変更はできません

 
繰上げ受給は早く年金を受け取れるというメリットがある一方で、年金額が生涯にわたって減額されるため、健康状態や就労状況、老後の資金計画などを踏まえて慎重に判断することが大切です。


老齢厚生年金の繰下げ受給について

 
老齢厚生年金の繰下げ支給とは、65歳から受給できる老齢厚生年金の受給開始時期を遅らせることで、年金額を増額できる制度です。
繰下げ受給を選択した場合、66歳から75歳までの間の希望する時期に受給を開始することができます。 受給開始を遅らせた月数に応じて年金額が増額され、増額後の年金額は生涯にわたって適用されます。
 

繰下げによる増額率

 
増額率は1か月につき0.7%で、75歳まで繰り下げた場合の増額率は最大84.0%となります。
また、増額の対象となる年金額は、在職老齢年金の支給停止がある場合、その調整後の金額となります。
老齢厚生年金の繰下げ受給は、老齢基礎年金の繰下げ受給とは別々に行うことが可能です。そのため、老齢基礎年金は65歳から受給し、老齢厚生年金のみを繰り下げることもできます。
なお、特別支給の老齢厚生年金は繰下げ受給の対象外です。ただし、特別支給の老齢厚生年金を受給しながら、本来受け取る老齢厚生年金を繰り下げることはできます。
 

繰下げによる増額率の計算式

 

繰下げによる増額率 = 繰下げ月数 × 0.7%

 

増額率一覧表

 

繰下げ月数

66歳

67歳

68歳

69歳

70歳

71歳

72歳

73歳

74歳

75歳

0か月

8.4%

16.8%

25.2% 33.6% 42.0% 50.4% 58.8% 67.2% 75.6% 84.0%

1か月

9.1%

17.5%

25.9% 34.3% 42.7% 51.1% 59.5% 67.9% 76.3%  

2か月

9.8%

18.2%

26.6% 35.0% 43.4% 51.8% 60.2% 68.6% 77.0%  

3か月

10.5%

18.9%

27.3% 35.7% 44.1% 52.5% 60.9% 69.3% 77.7%  

4か月

11.2%

19.6%

28.0% 36.4% 44.8% 53.2% 61.6% 70.0% 78.4%  

5か月

11.9%

20.3% 28.7% 37.1% 45.5% 53.9% 62.3% 70.7% 79.1%  

6か月

12.6%

21.0% 29.4% 37.8% 46.2% 54.6% 63.0% 71.4% 79.8%  

7か月

13.3%

21.7% 30.1% 38.5% 46.9% 55.3% 63.7% 72.1% 80.5%  

8か月

14.0% 22.4% 30.8% 39.2% 47.6% 56.0% 64.4% 72.8% 81.2%  

9か月

14.7% 23.1% 31.5% 39.9% 48.3% 56.7% 65.1% 73.5% 81.9%  

10か月

15.4% 23.8% 32.2% 40.6% 49.0% 57.4% 65.8% 74.2% 82.6%  

11か月

16.1% 24.5% 32.9% 41.3% 49.7% 58.1% 66.5% 74.9% 83.3%  

※ 1952(昭和27)年4月1日以前生まれの人、または2017(平成29)年3月31日以前に老齢基礎年金または老齢厚生年金の受給権が発生している人は、繰下げの上限年齢が70歳までとなるため、増額率の上限は42.0%です。

 

繰下げ受給を選択する際の注意点

 
繰下げ受給には、将来受け取る年金額を増やせるという大きなメリットがあります。特に長生きするほど、受取総額が増える可能性があります。
一方で、繰下げ期間中は年金を受け取れないため、その間の生活資金を確保しておく必要があります。また、早期に亡くなった場合は、繰下げによる増額効果を十分に享受できない可能性もあります。
そのため、健康状態や就労状況、保有資産、老後の生活設計などを総合的に考慮したうえで、繰下げ受給を検討することが重要です。


老齢厚生年金の計算方法と年金額

 
老齢厚生年金の年金額は、現役時代の給与水準や賞与額、厚生年金の加入期間などによって決まります。そのため、受給額には個人差があります。
老齢厚生年金の年金額は、特別支給の老齢厚生年金(60歳から64歳まで)と65歳以降に支給される本来の老齢厚生年金とで計算方法が異なります。
 

特別支給の老齢厚生年金(60歳から64歳まで)の計算方法

 
特別支給の老齢厚生年金の年金額は、次の計算式により算出されます。
 

年金額 = 定額部分 + 報酬比例部分 + 加給年金額

 

定額部分

 
2026(令和8)年度における定額部分は、次の計算式により算出されます。
 

1956(昭和31)年4月2日以降生まれの人:1,766円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数
1956(昭和31)年4月1日以前生まれの人:1,761円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数

 

報酬比例部分

 
報酬比例部分は、次の計算式により算出されます。
 

老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式

※ 平均標準報酬月額とは、2003(平成15)年3月以前の被保険者期間における標準報酬月額の総額を、その期間の月数で除した額です。
※ 平均標準報酬額とは、2003(平成15)年4月以降の被保険者期間における標準報酬月額および標準賞与額の総額を、その期間の月数で除した額です。
※ 乗率A・Bは、生年月日に応じて異なります。 

 

65歳以上の老齢厚生年金の計算方法

 
65歳以降に支給される老齢厚生年金の年金額は、次の計算式により算出されます。
 

年金額 = 報酬比例部分 + 経過的加算額 + 加給年金額

 

報酬比例部分

 
報酬比例部分は、次の計算式により算出されます。
 

老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式

※ 平均標準報酬月額とは、2003(平成15)年3月以前の被保険者期間における標準報酬月額の総額を、その期間の月数で除した額です。
※ 平均標準報酬額とは、2003(平成15)年4月以降の被保険者期間における標準報酬月額と標準賞与額の総額を、その期間の月数で除した額です。
※ 乗率A・Bは、生年月日に応じて異なります。

 

経過的加算額

 
経過的加算額とは、年金制度の改正によって生じる年金額の差を調整するための加算です。対象となる人には、自動的に老齢厚生年金へ加算されます。
 

老齢厚生年金の経過的加算額の計算式

加給年金とは

 
加給年金とは、原則として厚生年金保険の加入期間が20年以上ある人(または一定の特例に該当する人)が、65歳(または特別支給の老齢厚生年金の定額部分の受給開始年齢)に達した時点で、生計を維持している一定の配偶者または子がいる場合に、老齢厚生年金に加算される年金です。
会社員や公務員の扶養手当に近い性格を持つ制度であり、対象となる家族がいる場合に老齢厚生年金へ上乗せして支給されます。
 

2026(令和8)年度における加給年金額

 

対象者

加給年金額

年齢要件

配偶者

243,800円

65歳未満であること

第1子・第2子

各243,800円

18歳到達年度の3月31日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

第3子以降

各81,300円

 

2026(令和8)年度における配偶者加給年金額の特別加算額

 
受給者が1934(昭和9)年4月2日以降生まれで、加給年金の対象となる配偶者がいる場合は、受給者の生年月日に応じて特別加算額が加算されます。
 

受給者の生年月日

特別加算額

加給年金額の合計額

1934(昭和9)年4月2日〜1940(昭和15)年4月1日

36,000円

279,800円

1940(昭和15)年4月2日〜1941(昭和16)年4月1日

71,900円

315,700円

1941(昭和16)年4月2日〜1942(昭和17)年4月1日

108,000円

351,800円

1942(昭和17)年4月2日〜1943(昭和18)年4月1日

143,900円

387,700円

1943(昭和18)年4月2日以降

179,900円

423,700円

 

加給年金の停止と経過措置

 
2022(令和4)年4月の年金制度改正により、次のいずれかに該当する場合は、配偶者加給年金額が支給停止となります。

  • 配偶者が老齢厚生年金の受給権を有している場合で、次のいずれかに該当するとき
    • 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある
    • 共済組合等の加入期間を除いた期間のうち、40歳(女性は35歳)以降に15年以上19年未満の加入期間がある
  • 配偶者が退職共済年金の受給権を有している場合(組合員期間が20年以上)
  • 配偶者が障害年金を受給している期間

 
なお、実際に年金を受け取っていない場合(在職による支給停止中など)であっても、受給権を有している場合は加給年金が支給停止となります。
 

経過措置

 
ただし、次の1および2の両方の要件を満たす場合は、2022(令和4)年4月以降も加給年金の支給が継続される経過措置が設けられています。

  1. 2022(令和4)年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されていること
  2. 2022(令和4)年3月時点で、加給年金の対象となる配偶者が次の要件を満たしていること
    • 厚生年金保険の被保険者期間が240月(20年)以上あること
    • 老齢厚生年金等の受給権を有しており、その年金が全額支給停止となっていること

 

経過措置の終了事由

 
経過措置は、次のいずれかに該当した場合に終了します。
なお、3または4に該当する場合は、経過措置終了の届出が必要です。

  1. 加給年金の支給要件に該当しなくなったとき(配偶者が65歳に到達したとき、離婚したとき、死亡したときなど)
  2. 本人の老齢厚生年金または障害厚生年金が全額支給停止となったとき
  3. 配偶者が失業給付の受給終了により老齢厚生年金の全額支給停止解除となったとき(2022(令和4)年3月分の老齢厚生年金が全額支給停止であった場合に限る)
  4. 配偶者が年金選択により他の年金の支給を受けることとなったとき

振替加算とは?加給年金額との違い

 
厚生年金保険では、老齢厚生年金などの受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合、その老齢厚生年金などに加給年金額が加算されます。
加給年金額の対象となっている配偶者が65歳に達し、老齢基礎年金の受給権を取得すると、加給年金額の加算は終了します。 その代わりとして、一定の要件を満たす場合には、配偶者の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
振替加算は、加給年金額の対象となっていた配偶者に対する経過的な給付として設けられている制度です。
振替加算の対象となる主な条件の一つとして、1926(大正15)年4月2日から1966(昭和41)年4月1日までに生まれていることが挙げられます。
なお、振替加算の金額は生年月日に応じて異なり、老齢基礎年金に上乗せして支給されます。
また、振替加算額は年齢が若い世代ほど段階的に少なくなり、1966(昭和41)年4月2日以降に生まれた人には支給されません。
振替加算は生年月日だけで支給の可否が決まるものではなく、加給年金額の対象となっていたことなど一定の要件を満たす必要があります。さらに、配偶者本人の厚生年金保険の加入期間によっては支給されない場合があります。


在職老齢年金とは?働きながら年金を受け取る場合の仕組み

 
在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受給しながら、厚生年金保険の被保険者として働いている人に適用される制度です。
老齢厚生年金の受給権がある人が会社員や公務員などとして働き続ける場合、給与や賞与の額と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となることがあります。
2026(令和8)年度は、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が65万円を超える場合に、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。
なお、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金のみであり、老齢基礎年金は支給停止の対象となりません。
 

在職老齢年金の支給停止額の計算方法

 
2026(令和8)年度における在職老齢年金の支給停止額は、次の計算式により算出されます。
 

支給停止額(月額)= ( 総報酬月額相当額 + 基本月額 − 65万円 ) × 1/2
※ 総報酬月額相当額 = その月の標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額の合計 ÷ 12
※ 65歳未満の基本月額:加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生年金(退職共済年金を含む)の月額
※ 65歳以上の基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生年金(退職共済年金を含む)の報酬比例部分の月額


離婚時の年金分割制度とは

 
離婚時の年金分割制度とは、夫婦のいずれか、または双方が婚姻期間中に厚生年金保険に加入していた場合に、離婚時に婚姻期間中の厚生年金の加入実績(標準報酬の記録)を当事者間で分割できる制度です。
年金分割によって将来受け取る老齢厚生年金額が変わる可能性がありますが、実際に年金そのものや保険料を分ける制度ではありません。
この制度には、「合意分割」と「3号分割」の2つの方法があります。
 

合意分割

 
合意分割とは、離婚後5年以内に、当事者間の合意または裁判所の決定に基づいて、婚姻期間中の厚生年金の加入実績(標準報酬の記録)を分割する制度です。
分割割合は当事者の合意または裁判手続によって決定されますが、上限は婚姻期間中の標準報酬総額の50%とされています。
なお、合意がまとまらない場合には、家庭裁判所へ調停や審判を申し立てることができます。
 

3号分割

 
3号分割とは、2008(平成20)年4月1日に導入された制度で、当事者の合意を必要としない年金分割制度です。
国民年金の第3号被保険者(主に会社員や公務員に扶養されていた配偶者)であった人が請求することにより、2008(平成20)年4月以降の第3号被保険者期間に対応する相手方の厚生年金の加入実績(標準報酬の記録)を分割することができます。
分割割合は一律50%です。
また、3号分割についても、原則として離婚後5年以内に請求する必要があります。


FP試験での出題ポイント

 
FP試験では、次のポイントを重点的に押さえておくと得点源になります。
 
① 受給要件

  • 老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること
  • 厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あること

 
② 特別支給の老齢厚生年金

  • 男性は1961(昭和36)年4月1日以前生まれが対象
  • 女性は1966(昭和41)年4月1日以前生まれが対象
  • 報酬比例部分と定額部分で構成される
  • 女性の支給開始年齢引上げは男性より5年遅れ

 
③ 繰上げ受給

  • 繰上げ受給は60歳から64歳まで可能
  • 老齢基礎年金と同時に繰上げ受給する必要がある
  • 繰上げ受給の減額率は1962年4月2日以降生まれは1か月あたり0.4%
  • 繰上げ受給の減額率は1962年4月1日以前生まれは1か月あたり0.5%

 
④ 繰下げ受給

  • 繰下げ受給は66歳から75歳まで可能
  • 繰下げ受給の増額率は1か月あたり0.7%
  • 繰下げ受給の最大増額率は84.0%
  • 老齢基礎年金とは別々に繰り下げることができる
  • 特別支給の老齢厚生年金は繰下げの対象外

 
⑤ 加給年金

  • 原則として厚生年金保険の加入期間が20年以上必要
  • 対象となる配偶者は65歳未満
  • 加給年金額は老齢厚生年金に加算される
  • 配偶者が老齢厚生年金等の受給権を有する場合は支給停止となることがある
  • 加給年金が終了すると振替加算の対象になる場合がある

 
⑥ 在職老齢年金

  • 老齢厚生年金を受給しながら厚生年金保険に加入して働く人が対象
  • 総報酬月額相当額+基本月額が支給停止調整額を超える場合に支給停止
  • 支給停止となるのは老齢厚生年金のみ
  • 老齢基礎年金は支給停止されない

 
⑦ 年金分割制度

  • 合意分割は離婚後5年以内に請求
  • 分割割合の上限は50%
  • 3号分割は当事者の合意不要
  • 3号分割の割合は一律50%
  • 3号分割は2008(平成20)年4月以降の第3号被保険者期間が対象
  • 請求期限は離婚後5年以内