障害厚生年金
最終更新日: 2024-10-12

障害年金とは 

 
障害年金とは、一定の傷病によって日常生活や労働等が制限されるようになった場合に、現役世代の人も含めて受け取ることができる年金のことです。
 
障害年金には、障害基礎年金障害厚生年金があり、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに、国民年金に加入していた場合は障害基礎年金厚生年金保険に加入していた場合は障害厚生年金を請求することができます。
 
また、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度もあります。


障害厚生年金の受給要件

 
障害厚生年金の主な受給要件は、次のとおりです。
 

  • 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった傷病の初診日があること
  • 障害認定日に、障害年金の障害等級表に定める1級2級3級のいずれかに該当していること
  • 保険料の納付要件を満たしていること
    • 初診日の属する月の前々月までの公的年金の被保険者期間において、保険料納付済期間と保険料免除期間を合計した期間が全期間の2/3以上あること
    • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 
障害認定日とは、障害の状態の認定判断を行う日のことで、初診日から起算して1年6か月を経過した日、又は1年6か月以内に傷病が治った日になります。
この場合の「治った日」とは、症状が固定し、医療行為を施しても、それ以上効果が得られなくなることを指し、完治を意味するものではありません。
例えば、事故で腕や足を切断した場合はその切断日、心臓ペースメーカーや人工弁を装着した場合はその装着日、人工透析を行っている場合は人工透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日などがあります。


障害厚生年金の年金額

 
障害厚生年金の年金額は、障害基礎年金と異なり一律ではなく、老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額が基準となります。
 
障害厚生年金の年金額は、次の式で計算します。
 

2024(令和6)年度
障害等級1級の障害厚生年金の年金額 = 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額 ✕ 1.25 + 配偶者の加給年金額
障害等級2級の障害厚生年金の年金額 = 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額 + 配偶者の加給年金額
障害等級3級の障害厚生年金の年金額 = 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額

※1956(昭和31)年4月2日以後生まれの人の最低保証額は、612,000円
※1956(昭和31)年4月1日以前生まれの人の最低保証額は、610,300円

 
「配偶者の加給年金額」は、受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに234,800円が加算されます。
 
「老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額」は、次の式で計算します。
 

老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の計算式

※被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。


障害手当金

 
障害手当金とは、厚生年金保険の加入期間中に初診日のある傷病が、初診日から5年以内に治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときに支給される一時金のことです。
障害手当金を受けるためには、障害基礎年金の保険料納付要件を満たしている必要があります。

障害手当金の受給要件

 
障害手当金の主な受給要件は、次のとおりです。
 

  • 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった傷病の初診日があること
  • 障害の状態が、次の条件すべてに該当していること
    • 初診日から5年以内に治っていること
    • 治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
    • 障害年金の障害等級表に定める障害の状態であること
  • 保険料の納付要件を満たしていること
    • 初診日のある月の前々月までの公的年金の被保険者期間において、保険料納付済期間と保険料免除期間を合計した期間が全期間の2/3以上あること
    • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

障害手当金の年金額

 
次の金額が、一時金として支給されます。
 

障害手当金の年金額 = 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額 ✕ 2 

※2024(令和6)年度の障害手当金の年金額の最低保証額は、1,224,000円です。

 
「老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額」は、次の式で計算します。
 

老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の計算式

※被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。