最終更新日: 2023-04-07

区分所有法

 
区分所有法のイメージ

  区分所有法とは

 
区分所有法とは、区分所有建物に関する権利関係や管理運営について定めた法律のことです。
区分所有建物とは、分譲マンションのように独立した各部分から構成される建物のことです。


  専有部分と共有部分

 
区分所有建物において、構造上および利用上の独立性を有した部分を専有部分といいます。
また、専有部分以外の階段、エレベーター、エントランス、集会所等、他の購入者と共同で使う建物の部分を共用部分といいます。
なお、一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居として利用することができる部分であっても、規約によって共用部分とすることができます。
共有部分は、規約で別段の定めがなければ、原則として区分所有者全員で共有します。
また、各共有者の持分は、専有部分の床面積の割合で決まります。
なお、中古マンション購入の際、前区分所有者が管理費を滞納していた場合には、その購入者が前区分所有者の滞納金の支払い義務を負わなければなりません。


  区分所有権

 
区分所有権とは、専用部分を所有する権利のことです。
区分所有権は、登記によって第三者に対抗することができます。


  敷地利用権

 
敷地利用権とは、区分所有建物において、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利のことです。
区分所有建物では、その敷地は区分所有者全員の共有とされています。
区分所有権と敷地利用権を分離して処分することは、区分所有法により原則として禁止されています。
ただし、規約で別段の定めをすることはできます。


  管理組合

 
管理組合とは、区分所有建物において、区分所有者が建物および敷地等の管理を行うために区分所有法に基づいて結成する団体のことです。
区分所有者は、区分所有法により必ず管理組合に加入しなければならず、区分所有者の任意で管理組会から脱退することはできません。
また、管理組合が管理を行うために、管理者(一般に管理組合の理事長)をおくことができます。


  管理規約

 
管理規約とは、区分所有法に基づいて定める規約のことです。
建物・敷地・附属施設の管理や使用に関する区分所有者相互間の事項が規定されています。
管理者は、少なくとも年1回、管理組合の意思決定のために集会を開かなければなりません。
規約の設定や変更は、この集会において決議します。
集会の議事は、区分所有者数と議決権(専有部分の持分割合)によって決議します。
 
集会の議事の決議要件は、下表のとおりです。
 

決議内容

必要な賛成数

一般事項(管理者の選任や解任、共有部分の管理に関する事項等)

区分所有者と議決権の各過半数 ※1

規約の設定・変更・廃止
管理組合法人の成立
共用部分等の変更 ※2
大規模滅失における建物の復旧
専有部分の使用禁止の請求
区分所有権の競売の請求
占有者に対する引渡し請求

区分所有者と議決権の各3/4以上

建物の建替え

区分所有者と議決権の各4/5以上

※1:管理規約で別段の定めをすることができます。
※2:「共有部分等の変更」については、管理規約により区分所有者数の過半数かつ議決権の3/4以上の賛成にまで緩和することができます。

 
管理規約「建物の建替え」の決議要件は、次のように覚えましょう!
 

FP検定語呂合わせ暗記_管理規約「建物の建替え」の決議要件