最終更新日: 2023-04-10

都市計画法

 
都市計画法のイメージ

  都市計画法とは

 
都市計画法とは、都市計画の内容およびその決定手続き、都市計画制限、都市計画事業、その他都市計画に関する必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、計画的な街づくりを行うための法律のことです。
都市計画は、原則として広域的なものは都道府県が決定し、それ以外のものは市町村が決定します。
ただし、複数の都府県にまたがる場合には、国土交通省が決定します。


  都市計画区域

 
都市計画法では、都道府県が指定する整備、開発、保全する必要がある都市計画区域と、都市計画区域外の区域のうち、将来的に都市としての整備、開発、保全する必要がある準都市計画区域が定められています。
 
都市計画区域は、線引区域非線引区域に分けられます。
線引区域のうち、すでに市街地を形成している区域および10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を市街化区域といい、市街化を抑制すべき区域を市街化調整区域といいます。
非線引区域とは、市街化区域にも市街化調整区域にも区分されない区域のことです。


  用途地域

 
用途地域とは、どのような用途(目的)のために使うかが定められた地域地区のことです。
市街化区域は、市街化を図るべき地域であるため、用途地域を定め、市街化調整区域については、市街化を抑制すべき地域であるため、原則として用途地域を定めないものとされています。
 
用途地域の分類は、下表のとおりです。
 

区分

用途地域

住居系

第一種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域

第一種住居地域

第二種住居地域

準住居地域

田園住居地域
商業系 近隣商業地域
商業地域
工業系 準工業地域
工業地域

工業専用地域


  開発許可制度

 
都市計画法では、都市計画区域内や準都市計画区域内で開発行為を行う場合には、原則として都道府県知事許可が必要です。
開発許可制度は、市街化を計画的、段階的に進めることや、市街化の環境水準の向上を図ることを目的としています。
開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更のことです。
土地の区画形質の変更とは、土地の区画の変更(土地の分割や合併)、土地の形状の変更(盛土や切土等の造成)、土地の性質の変更(地目の変更)のことです。
 
開発許可を得る必要がある開発行為は、下表のとおりです。
 

市街化区域

1,000㎡以上の開発行為

市街化調整区域

規模にかかわらず許可が必要
ただし、農林漁業用の一定の建築物またはこれらの業務を営む者の居住用建築物や鉄道施設等の公益上必要な建築物の建築を目的とする開発行為は、許可が不要

非線引区域

3,000㎡以上の開発行為

準都市計画区域

上記以外の区域 10,000㎡(1ha)以上の開発行為

※土地区画整理事業、市街地再開発事業として行う開発行為等については、許可は不要です。

 
開発許可を得た開発区域内では、工事完了公告があるまで、原則として建築物の建築はできません。
ただし、土地の譲渡は可能です。
また、公告後も予定建築物以外は、建築できません。
なお、開発許可を得た開発区域内の土地において、工事完了の公告後、建築物を建築する場合でも、建築基準法上の建築確認の手続きは必要です。