建物の区分所有等に関する法律
最終更新日: 2024-04-14

建物の区分所有

 
一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立した住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、それぞれの所有権の目的とすることができます。


区分所有権と区分所有者

 
区分所有権とは、上述(建物の区分所有)に規定する建物の部分を目的とする所有権のことです。
区分所有権は、登記によって第三者に対抗することができます。
 
そして、区分所有権を有する者を区分所有者といいます。


専有部分と共有部分

 
専有部分とは、区分所有権の目的たる建物の部分のことです。
 
共有部分とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び規定により共用部分のされた附属の建物のことです。
専有部分以外の階段、エレベーター、エントランス、集会所等が該当します。
 
数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができます。この場合には、その旨の登記をしなければ、第三者に対抗することができません
 
共有部分は、規約で別段の定めがなければ、原則として区分所有者全員の共有に属します。
そして、各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合によります。
なお、共有者は、原則としてその有する専有部分と分離して持分を処分することはできません
 
共有部分の管理に関する事項は、規約で別段の定めがなければ、原則として集会の決議で決まります。
ただし、共有部分の保存行為は、各共有者がすることができます
 
また、共有部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決まります。
ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができます


建物の敷地と敷地利用権

 
建物の敷地とは、建物が所在する土地及び規定により建物の敷地とされた土地のことです。
建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用する庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができます。
建物が所在する土地が建物の一部の滅失又は土地の一部の分割により建物が所在する土地以外の土地になっても建物の敷地とすることができます。
 
敷地利用権とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利のことです。
区分所有者は、規約に別段の定めがなければ、原則としてその有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することはできません


管理組合

 
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(管理組合)を構成し、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができます。
区分所有者は、必ず管理組合に加入しなければならず、区分所有者の任意で管理組会から脱退することはできません


管理者

 
区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができます。
管理者は、共用部分並びに規定された建物の敷地及び附属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負います。
そして、管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共有部分を所有することができます


規約と集会

 
建物又はその敷地もしくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、規約で定めることができます。
規約は、管理者が保管しなければなりません。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければなりません。
そして、規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。
規約の設定、変更又は廃止は、集会の決議によって決まります。
 
集会は、管理者が少なくとも毎年1回招集しなければなりません。
なお、区分所有者の5分の1以上議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができます。ただし、この定数は、規約で減ずることができます。
 
集会の招集の通知は、少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができます。
なお、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができます。
 
集会の議事の決議要件は、下表のとおりです。
 

決議内容

必要な賛成数

一般事項
管理者の選任や解任
共有部分の管理に関する事項

区分所有者及び議決権の各過半数 ※1

規約の設定、変更、廃止
管理組合法人の成立
共用部分の変更 ※2
大規模滅失における建物の復旧
専有部分の使用禁止の請求
区分所有権の競売の請求
占有者に対する引渡し請求

区分所有者及び議決権の各4分の3以上

建物の建替え

区分所有者及び議決権の各5分の4以上

※1:規約で別段の定めをすることができます。
※2:区分所有者の定数は、規約で過半数まで減ずることができます。

 
建替え決議は、次のように覚えましょう!
 

FP検定語呂合わせ暗記_管理規約「建物の建替え」の決議要件