建物の区分所有等に関する法律
最終更新日: 2026-03-14

建物の区分所有について

 
一棟の建物において、構造上区分された複数の部分があり、それぞれが独立した住居、店舗、事務所、倉庫その他の建物としての用途に使用することができる場合、各部分はそれぞれ所有権の対象とすることができます。


区分所有権と区分所有者について

 
区分所有権とは、前述の「建物の区分所有」に規定される建物の部分を対象とする所有権をいいます。区分所有権は、登記によって第三者に対抗することができます。また、区分所有権を有する者を区分所有者と呼びます。


専有部分と共有部分について

 
専有部分とは、区分所有権の対象となる建物の部分をいいます。
共有部分とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物、および規約により共用部分とされた附属建物を指します。具体例として、階段、エレベーター、エントランス、集会所などが該当します。
数個の専有部分に通じる廊下や階段室、その他構造上区分所有者全員または一部の共用に使用されるべき建物の部分および附属建物は、規約により共用部分とすることができます。この場合、その旨を登記しなければ第三者に対抗することはできません
共有部分は、規約で別段の定めがない限り、原則として区分所有者全員の共有に属します。各共有者の持分は、その専有部分の床面積の割合によって決まります。なお、共有者は、原則として専有部分と切り離して持分を処分することはできません
共有部分の管理に関する事項は、規約で別段の定めがない限り、原則として集会の決議によります。ただし、共有部分の保存行為は、各共有者が行うことができます
また、共有部分の変更(形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決まります。ただし、この区分所有者の定数は、規約により過半数まで減ずることができます。


建物の敷地と敷地利用権について

 
建物の敷地とは、建物が所在する土地および規約により建物の敷地とされた土地をいいます。建物と一体として管理または使用する庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができます。また、建物が所在する土地が、一部の滅失や分割により建物が所在する土地以外の土地になった場合でも、建物の敷地とすることができます。
敷地利用権とは、専有部分を所有するために必要な建物の敷地に関する権利をいいます。区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、原則として専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することはできません


管理組合について

 
区分所有者は、全員で建物、敷地および附属施設の管理を行うための団体(管理組合)を構成し、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます。区分所有者は必ず管理組合に加入しなければならず、任意に管理組合から脱退することはできません。


管理者について

 
区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議によって管理者を選任または解任することができます。管理者は、共用部分、建物の敷地および附属施設を保存し、集会の決議を実行し、さらに規約で定められた行為を行う権利と義務を有します。また、規約に特別の定めがある場合、管理者は共有部分を所有することができます


規約と集会について

 
建物、敷地および附属施設の管理または使用に関する区分所有者相互間の事項は、規約で定めることができます。
規約は管理者が保管しなければなりません。ただし、管理者が置かれていない場合には、建物を使用している区分所有者またはその代理人のうち、規約または集会の決議により定められた者が保管します。
また、規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。規約の設定、変更および廃止は、集会の決議によって行われます。
集会は、管理者が少なくとも毎年1回招集しなければなりません。区分所有者およびその議決権の各5分の1以上を有する者は、会議の目的事項を示して、管理者に対し集会の招集を請求することができます。ただし、この割合は、規約により減ずることができます。
集会の招集通知は、会議の目的事項を示したうえで、少なくとも1週間前までに各区分所有者に発しなければなりません。この期間についても、規約により変更することができます。
なお、区分所有者全員の同意がある場合には、招集手続きを経ることなく集会を開くことができます。
 

所在等不明の区分所有者の議決権の扱い

 

改正前

改正後(2026年4月以降)

集会の出席割合および決議の賛成割合を算定する際の分母に含まれ、その議決権は棄権として扱われる。

裁判所の認定がある場合には、当該区分所有者は、集会の出席割合および決議の賛成割合の算定における分母から除外され、集会において議決権を有しないものとされる。

 

集会の決議要件

 

区分

決議事項

母数

多数決割合

普通決議

共有部分の管理等

出席区分所有者及びその議決権

過半数 ※1

共用部分の管理に伴う専有部分の使用等

規約の定めがあることを前提に、過半数 ※1
特別決議

規約の設定・変更・廃止、管理組合法人の設立・廃止、義務違反者に対する専有部分の使用禁止請求・区分所有権等の競売請求・専有部分の引渡し等の請求、管理組合法人による区分所有権等の取得

4分の3

共有部分の変更

4分の3 ※2 ※3

共有部分の変更に伴う専有部分の使用等

規約の定めがあることを前提に、4分の3 ※2 ※3

共用部分の復旧

3分の2

建替え

不明者を除く区分所有者及びその議決権

区分所有法:5分の4 ※4、被災区分所有法:3分の2

建物更新(一棟リノベーション)

建物敷地売却

建物取壊し敷地売却

取壊し

再建

不明者を除く敷地共有者等の決議権

区分所有法:5分の4、被災区分所有法:3分の2
敷地売却

※1:規約により、別段の定めをすることができます。
※2:規約により、過半数まで引き下げることができます。
※3:共用部分の設置または保存に瑕疵があり、他人の権利または法律上保護される利益が侵害され、または侵害されるおそれがある場合には、3分の2とすることができます。
※4:①地震に対する安全性を欠いている ②火災に対する安全性を欠いている ③外壁剥離等により周辺に危害を生ずるおそれがある ④給排水管設備の損傷または腐食がある ⑤バリアフリー基準に適合していない のいずれかの事由が認められる場合には、4分の3とすることができます。