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復興特別税・防衛特別税とは?FPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-09-22

復興特別税・防衛特別税とは

 
東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため、2011(平成23)年12月に「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が制定されました。これにより、復興特別所得税および復興特別法人税(現在は廃止)が創設され、震災復興を支えるための税負担が導入されました。
また、地方自治体が実施する防災・減災対策の財源を確保する目的で関連法も制定され、個人住民税の均等割について標準税率が引き上げられました。この措置は2023(令和5)年度まで実施されました。
 
さらに近年では、わが国の防衛力を抜本的に強化し、そのための安定的な財源を確保することを目的として、「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防衛財確法)」が制定されました。これに基づき、令和7年度税制改正で防衛特別法人税が、令和8年度税制改正で防衛特別所得税が新たに導入されています。
 
なお、防衛特別所得税の創設にあわせて、国民の家計負担に配慮する観点から、復興特別所得税については税率の引き下げが行われる一方、課税期間は延長されることとなりました。


復興特別所得税とは

 

納税義務者

 
復興特別所得税は、所得税を納める義務がある個人に課される税金です。そのため、会社員や公務員、自営業者、年金受給者など、所得税の納税義務がある方は原則として復興特別所得税の対象となります。
 

適用期間

 
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するために創設された税制であり、2013(平成25)年から2047(令和29)年までの35年間にわたり課税されます。
 

税額の計算方法

 
復興特別所得税は、所得金額そのものに課税されるのではなく、算出された所得税額を基準として計算されます。
 

復興特別所得税額 = 基準所得税額※1 × 2.1%※2
※1:基準所得税額とは、その年分の所得税額に一定の調整を加えた後の金額を指します。
※2:2027(令和9)年分以後は1.1%となります。

 

申告・納付の方法

 
復興特別所得税は、所得税と一体的に計算されるため、確定申告を行う場合は所得税とあわせて申告・納付します。
また、給与所得者については、毎月の給与や賞与から所得税と復興特別所得税がまとめて源泉徴収されるため、通常は復興特別所得税を個別に納付する手続きは必要ありません。


防衛特別所得税とは

 

納税義務者

 
防衛特別所得税は、所得税の納税義務がある個人および法人を対象とする税金です。そのため、所得税が課される場合には、原則として防衛特別所得税も併せて課税されます。
 

適用期間

 
防衛特別所得税は、防衛力の抜本的な強化を安定的な財源面から支えることを目的として創設された制度です。
個人については2027(令和9)年分以後の所得に対して適用され、法人については2027(令和9)年1月1日以後に生じる所得に係る所得税について適用されます。
なお、本制度は「当分の間」の措置とされており、現時点では終了時期は定められていません。
 

税額の計算方法

 
防衛特別所得税は、所得税額を基準として計算されます。
 

防衛特別所得税額 = 基準所得税額※ × 1.0%
※ 基準所得税額とは、その年分の所得税額に一定の調整を加えた後の金額を指します。

 
また、防衛特別所得税の創設に伴い、復興特別所得税の税率は2027(令和9)年分以後2.1%から1.1%へ引き下げられます。そのため、両税を合わせた税率は2.1%となり、納税者全体の負担が急激に増加しないよう配慮されています。
 

申告・納付の方法

 
防衛特別所得税の申告および納付は、所得税と一体的に行います。
給与所得者については、令和9年1月1日以後に支払われる給与や賞与から、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税がまとめて源泉徴収されるため、通常は個別の納付手続きを行う必要はありません。


防衛特別法人税とは

 

納税義務者

 
防衛特別法人税は、各事業年度の所得に対して法人税が課される法人を対象とする税金です。したがって、法人税の納税義務がある法人は、原則として防衛特別法人税の納税義務も負うことになります。
 

適用期間

 
防衛特別法人税は、2026(令和8)年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
そのため、令和8年4月1日以降に始まる事業年度については、法人税に加えて防衛特別法人税の計算が必要となります。
なお、本制度は「当分の間」の措置とされており、現時点では終了時期は定められていません。
 

税額の計算方法

 
防衛特別法人税は、法人税額を基準として計算される付加税です。
 

防衛特別法人税額 = ( 基準法人税額※1 × 基礎控除額※2 ) × 4.0%
※1:各事業年度の所得に対する法人税額に一定の調整を加えたものが基準法人税額となります。
※2:年500 万円となります。このため、基準法人税額が年500 万円以下の法人には、防衛特別法人税は課されません。

 

申告・納付の方法

 
防衛特別法人税の申告および納付は、法人税の申告・納付とあわせて行います。
確定申告書の提出期限および納付期限は法人税と同じで、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内です。
そのため、法人においては法人税の申告手続きの中で、防衛特別法人税についても併せて計算・申告することになります。