最終更新日: 2025-11-24
ストックオプションについて
ストックオプションとは、会社が従業員や役員などに付与する権利で、一定期間内にあらかじめ定められた権利行使価額で自社株式を購入できるものです。
ストックオプションを権利行使または譲渡する際には、そのオプションが税制適格ストックオプション(税制適格要件を満たし、ストックオプション税制の適用を受けるもの)なのか、税制非適格ストックオプション(要件を満たさず、税制の適用を受けないもの)なのかによって、権利行使時および譲渡時の課税の取り扱いが異なります。
税制適格ストックオプションの要件について
税制適格ストックオプションの主な要件は以下のとおりです。
- ストックオプション付与決議日後2〜10年以内(設立から5年未満の未上場企業は2〜15年以内)に権利行使が行われること。
- 年間権利行使価額が以下のとおりであること。
- 設立から5年未満の株式会社は2,400万円以下。
- 設立から5年以上20年未満の株式会社で、非上場会社または上場後5年未満の会社は3,600万円以下。
- 上記以外の会社は1,200万円以下。
- 「1株あたりの権利行使価額 ≧ 付与契約締結時の1株あたりの価額」であること。
- 当該ストックオプションを譲渡してはならないこと。
- ストックオプションの行使に伴う株式の交付が、会社法第238条第1項に定める事項に反しないこと。
- ストックオプションの行使によって取得する株式は、金融商品取引業者等の振替口座簿に記載されるか、その営業所等に保管委託されること。
ストックオプションの税金について
ストックオプション税制では、以下の3つの段階で課税関係が区別されます。
- ストックオプションの付与時
- ストックオプションの権利行使時
- 取得した株式の譲渡時
課税の取り扱い(税制適格と非適格の違い)
| 区分 | 税制適格 |
税制非適格 |
| 付与時 |
課税なし:株式取得の権利を得ただけで、購入選択権未行使のため、課税関係なし |
|
| 権利行使時 |
経済的利益に対する課税は譲渡時まで繰り延べ |
課税あり:( 権利行使時の株価 − 権利行使価額 ) × 株式数 が経済的利益として給与所得課税の対象。税率は5〜45%の超過累進税率 + 個人住民税(所得割)10%。 |
| 譲渡時 |
課税あり:( 譲渡時の株価 − 権利行使価額 ) × 株式数 が譲渡所得課税(申告分離課税)の対象。税率は20.315%(所得税15.0%、住民税5.0%、復興特別所得税0.315%) |
課税あり:( 譲渡時の株価 − 権利行使時の株価 ) × 株式数 が譲渡所得課税(申告分離課税)の対象。税率は20.315%(所得税15.0%、住民税5.0%、復興特別所得税0.315%) |