源泉徴収について
源泉徴収とは、会社や個人が人を雇って給与を支払う場合や、税理士・弁護士・司法書士などに報酬や料金(原稿料や講演料などを含む)を支払う場合に、支払金額に応じた所得税および復興特別所得税をあらかじめ差し引く仕組みです。差し引いた税金は、原則として給与等を支払った月の翌月10日までに国へ納付する必要があります。
源泉徴収の対象となる所得について
源泉徴収の対象となる主な所得は、以下のとおりです。
- 給与
- 退職金
- 配当
- 利子
- 原稿料
- 講演料
- 特定の資格を持つ専門家への報酬や料金(例:弁護士、公認会計士、司法書士など)
- 公的年金
給与所得の源泉徴収票について
給与所得の源泉徴収票は、会社員が年末調整後に給与支払者から受け取る書類で、1年間の給与支払額や源泉徴収された税額などが記載されています。この源泉徴収票は給与の証明書として利用され、確定申告が必要な場合には、確定申告書に添付します。
| 記載欄名 |
記載事項 |
| ①支払を受ける者 |
「住所又は居所」欄:受給者のその年の1月1日(中途退職者は退職時)現在の住所または居所が記載されます。 「個人番号」欄:受給者のマイナンバーが記載されます。 「役職名」欄:役職名または職務の名称が記載されます。 「氏名」欄:受給者の氏名とフリガナが記載されます。 |
| ②種別 |
俸給、給料、歳費、賞与、財形給付金、財形基金給付金などの種別が記載されます。 |
| ③支払金額 |
その年中に支払の確定した給与等の総額が記載されます。 |
| ④給与所得控除後の金額(調整控除後)※ |
給与所得控除後の給与等の金額が記載されます。所得金額調整控除の適用がある場合は、所得金額調整控除後の金額が記載されます。 |
| ⑤所得控除の額の合計額 ※ |
④から控除した社会保険料、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除の合計額が記載されます。 |
| ⑥源泉徴収税額 |
年末調整をした給与等の場合:年末調整後の源泉所得税と復興特別所得税の合計額が記載されます。 年末調整をしない給与等の場合:その年中に源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税の合計額が記載されます。 |
| ⑦(源泉)控除対象配偶者の有無等 |
「有」欄:主たる給与等で年末調整を行なっている場合、控除対象配偶者がいるときは「◯」が記載されます。年末調整を行なっていない場合は、源泉控除対象者がいるときに「◯」が記載されます。 「従有」欄:従たる給与等で、源泉控除対象配偶者がいるときは「◯」が記載されます。 「老人」欄:控除対象配偶者(年末調整を行なっていない場合は源泉控除対象配偶者)が老人控除対象配偶者である場合、「◯」が記載されます。 |
| ⑧配偶者(特別)控除の額 ※ |
配偶者控除または配偶者特別控除の額が記載されます。 |
| ⑨控除対象扶養親族の数(配偶者を除く。) |
「特定」欄:特定扶養親族がいる場合、主たる給与等または従たる給与等から控除した人数が記載されます。 「老人」欄:老人扶養親族がいる場合、受給者または受給者の配偶者の直系尊属で同居している人数と、主たる給与等または従たる給与等から控除した人数が記載されます。 「その他」欄:特定扶養親族または老人扶養親族以外の控除対象扶養親族がいる場合、主たる給与等または従たる給与等から控除した人数が記載されます。 |
| ⑩16歳未満扶養親族の数 |
扶養親族のうち、16歳未満の扶養親族の人数が記載されます。 |
| ⑪障害者の数(本人を除く。) |
「特別」欄:同一生計配偶者や扶養親族が特別障害者の場合、同居している人数と、特別障害者の人数が記載されます。 「その他」欄:特別障害者以外の障害者の人数が記載されます。 |
| ⑫非居住者である親族の数 |
源泉控除対象配偶者、控除対象配偶者、配偶者特別控除の対象となる配偶者および扶養控除の対象となる扶養親族の中に非居住者がいる場合や、16歳未満の扶養親族の中に国内に住所がない者がいる場合は、その人数が記載されます。 |
| ⑬特定親族特別控除の額 |
特定親族特別控除額が記載されます。 |
| ⑭社会保険料等の金額 |
控除された社会保険料と小規模企業共済等掛金の合計額が記載されます。 |
| ⑮生命保険料の控除額 ※ |
控除された生命保険料額が記載されます。 |
| ⑯地震保険料の控除額 ※ |
控除された地震保険料額が記載されます。 |
| ⑰住宅借入金等特別控除の額 ※ |
住宅借入金等特別控除額が記載されます。 |
| ⑱(摘要) |
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| ⑲生命保険料の金額の内訳 ※ |
「新生命保険料の金額」欄:一般の生命保険料のうち、支払った新生命保険料額が記載されます。 「旧生命保険料の金額」欄:一般の生命保険料のうち、支払った旧生命保険料額が記載されます。 「介護医療保険料の金額」欄:支払った介護医療保険料額が記載されます。 「新個人年金保険料の金額」欄:個人年金保険料のうち、支払った新個人年金保険料額が記載されます。 「旧個人年金保険料の金額」欄:個人年金保険料のうち、支払った旧個人年金保険料額が記載されます。 |
| ⑳住宅借入金等特別控除の額の内訳 ※ |
「住宅借入金等特別控除適用数」欄:適用数が記載されます。 「住宅借入金等特別控除可能額」欄:年末調整で控除しきれない場合、控除可能額が記載されます。 「居住開始年月日(1回目・2回目)」欄:居住開始年月日が記載されます。 「住宅借入金等特別控除区分(1回目・2回目)」欄:適用を受けている住宅借入金等特別控除の区分が記載されます。 「住宅借入金等年末残高(1回目・2回目)」欄:住宅借入金等年末残高が記載されます。 |
| ㉑(源泉・特別)控除対象配偶者・控除対象扶養親族 |
控除対象配偶者または配偶者特別控除の対象となる配偶者、扶養控除対象となる扶養親族の氏名とマイナンバーが記載されます。なお、控除対象配偶者または配偶者特別控除の対象となる配偶者が非居住者である場合、「区分」欄に「◯」が記載されます。また、控除対象扶養親族については、「区分」欄に分類に応じて「00」〜「04」までの数字が記載されます。 |
| ㉒配偶者の合計所得 |
配偶者の合計所得額が記載されます。 |
| ㉓16歳未満の扶養親族 |
16歳未満の扶養親族の氏名とフリガナが記載されます。なお、国内に住所がない場合、「区分」欄に「◯」が記載されます。 |
| ㉔(備考) |
控除対象扶養親族が5人以上いる場合、5人目以降の控除対象扶養親族のマイナンバーが記載されます。 |
| ㉕国民年金保険料等の金額 ※ |
社会保険料控除の適用を受けた国民年金保険料等の金額が記載されます。 |
| ㉖旧長期損害保険料の金額 ※ |
地震保険料のうち、支払った長期損害保険料額が記載されます。 |
| ㉗基礎控除の額 ※ |
基礎控除額が記載されます。 |
| ㉘所得金額調整控除額 ※ |
所得金額調整控除額が記載されます。 |
| ㉙未成年者から勤労学生までの各欄 |
受給者が該当する場合、該当欄に「◯」が記載されます。 |
| ㉚中途就・退職 |
年の途中で就職や退職した場合、該当欄に「◯」と年月日が記載されます。 |
| ㉛受給者生年月日 |
受給者の生年月日が記載されます。 |
| ㉜支払者 |
給与等支払者の「個人番号又は法人番号」、「住所(居所)又は所在地」、「氏名又は名称」が記載されます。 |
※の欄は、年末調整をした受給者のみ記載されます。
年末調整について
年末調整とは、従業員が納めるべき1年間の所得税および復興特別所得税と、毎月の給与や賞与から源泉徴収された税額を比較し、過不足を精算する手続きです。毎年末、1年間の所得が確定した時点で税額を算出し、源泉徴収済みの金額との差額を12月の給与で調整します。