最終更新日: 2023-12-03

親族

 

親族のイメージ

  親族の種類と範囲

 
民法上の親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことです。

親等

 
親等とは、親族間の遠近を表す単位であり、近い関係にある親族から順に1親等、2親等と続きます。
親等は、直系親族の場合は世代数により数え、傍系親族の場合は共同の祖先にさかのぼり、その祖先からその者に下るまでの世代数により数えます。
例えば、従兄弟姉妹の場合は、共同の祖先(祖父母、2親等)にさかのぼり、伯叔父母(3親等)、従兄弟姉妹と下るので、4親等となります。

血族

 
血族(自然血族)とは、出生によって血縁のつながる者の関係のことです。
また、養子縁組によって、養子と養親および養親の血族との間に親族関係を生じます。
これを法定血族といい、自然血族と同様に扱われます。
養子縁組による親族関係は、養子の離縁または縁組の取消しにより終了します。

姻族

 
姻族とは、婚姻によって生ずる親族関係のことです。
姻族関係は、離婚によって終了します。
なお、夫婦の一方が死亡や失踪宣告の場合は、生存している配偶者が市町村長に姻族関係終了の届出を提出すると、姻族関係は終了します。

配偶者

 
配偶者とは、婚姻によって夫婦となった者の一方から見た他方のことです。
配偶者関係は婚姻により生じ、死亡、婚姻の取消し、離婚によって終了します。

親族に関する定義は、下表のとおりです。
 

血族

血縁のある親族(自然血族)
養子縁組によって生じる養子と養親、その血族との間の関係(法定血族)

姻族

婚姻による親族

尊属

父母、祖父母、伯叔父母等、自分よりも前の世代にある者

卑属

子、孫、甥姪等、自分よりも後の世代にある者

直系

血統が一直線につながる系統

傍系

兄弟姉妹・伯叔父母・甥姪等のように共同の始祖を通じてつながる系統

 


  夫婦関係

婚姻中の契約

 
夫婦間の契約は、婚姻中であればいつでも取り消すことができます。
ただし、夫婦関係が円満を欠き、破綻にひんしている場合には、契約を取り消すことはできません。
また、夫婦関係が円満のときに契約が締結されても、夫婦関係が不和になり、婚姻が実質的に破綻してからは、取り消すことができません。

離婚

 
離婚には、協議離婚調停離婚審判離婚裁判離婚があります。
協議離婚は裁判所が関与しませんが、調停離婚、審判離婚、裁判離婚は裁判所が関与する離婚方法です。
なお、離婚全体の約9割を協議離婚が占めています。
 
協議離婚の離婚原因は、夫婦間に離婚の合意があれば特に限定されません。
ただし、夫婦に未成年の子がいる場合は、夫婦のどちらを親権者にするかを決めなければ離婚届は受理されません。
 
離婚をする場合、当事者の一方は他方に対して財産分与を請求できます。
ただし、離婚した一方の者が有する財産分与請求権が及ぶ範囲に、相手方が婚姻中に相続により取得した財産は含まれません。
また、財産分与請求権は離婚の時から2年を経過すると消滅します。


  実子

 
子は、自然血族関係に基づく実子と、法定血族関係に基づく養子とに分類できます。
さらに実子は、嫡出子非嫡出子に分類できます。

嫡出子

 
嫡出子とは、婚姻関係にある男女間に懐胎・出生した子のことです。
嫡出子は、出生時より嫡出性を取得する生来嫡出子と、一定の事由が生じることによって嫡出性が認められる準正嫡出子があります。

非嫡出子

 
非嫡出子とは、婚姻関係にない男女間に生まれた子のことです。
嫡出でない子は、認知によって初めて法律上の親子関係が認めれます。


  養子

 
養子とは、縁組により社会通念上親子関係と認められる関係が成立した法定血族関係上の子のことです。
養子は、普通養子特別養子とに分類できます。

普通養子縁組

 
普通養子縁組とは、養子が実親およびその血族との親族関係を存続したまま、養親との親子関係を成立させる養子縁組のことです。
当事者の合意と届出によって手続きが完了します。
未成年者を養子とする場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。
ただし、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は不要です。
戸籍上は、「養子」と記載されます。
普通養子縁組による養子は、実親と養親両方の相続人となることができます。

特別養子縁組

 
特別養子縁組とは、養子が実親およびその血族との親族関係を断ち切り、養親との親子関係を成立させる養子縁組のことです。
家庭裁判所の審判による手続きが必要で、養子となるのは原則として15歳未満であることが条件となります。
ただし、養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、15歳に達するまでにやむを得ない事由により請求ができなかった場合には、本人の同意があれば15歳に達していても養子となることができます。
また、特別養子縁組が成立するまでに18歳に達している場合には、養子となることができません。
戸籍上は、「実子」として扱われます。
特別養子縁組による養子は、養親のみの相続人となることができます。

普通養子と特別養子の違い

 
普通養子と特別養子の違いは、下表のとおりです。
 

 

普通養子

特別養子

成立方法

①当事者の合意
②市役所への届出
未成年の養子の場合は、家庭裁判所の許可が必要

①養親となる者の請求
②家庭裁判所の審判

実父母の意思

養子が15歳未満の場合、法定代理人の承諾および父母である監護権者の同意が必要
養子が15歳以上の場合、本人の自由意志で縁組することができる

原則として実父母の同意が必要

養親

20歳以上
独身者も可

原則として25歳以上(夫婦の一方のみ25歳以上の場合、もう一方が20歳以上であれば可)の夫婦で養親となる

養子

養親の尊属、年長者は不可

原則として縁組請求時に15歳未満

実親との関係

実方の父母およびその血族との親族関係は存続する
ただし、親権は養親に移る

実方の父母およびその血族との親族関係は、原則として終了する

戸籍上の記載

養子と明記

実施扱い(長男、長女等)

試験養育期間

なし

6か月以上

離縁

当事者の合意で離縁できる

次の①と②のいずれにも該当する場合において、養子の利益のために特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母または検察官の請求により離縁させることができる
①養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること
②実父母が相当の監護をすることができること

  扶養義務者

 
民法上、直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があります。
また、家庭裁判所は特別の事情があるときにおいては、3親等内の親族間に扶養の義務を負わせることができます。