経済指標
最終更新日: 2024-10-12

国内総生産(GDP・Gross Domestic Product)

 
国内総生産(GDP)とは、国内の経済活動によって一定期間に新たに生みだされた財・サービスの付加価値の総額のことです。
GDPは、金額そのものよりも前期または前年同期と比較した伸び率が重要です。
GDPが伸びているということは、その国の経済が活発で景気が拡大していると判断することができます。
GDP(支出側)の内訳で最も高い構成比を占めるのは、民間最終消費支出で約50〜60%を占めます。
内閣府年4回公表します。


経済成長率

 
経済成長率とは、国内総生産(GDP)等で測った一国の経済規模が一定期間に変化した割合のことです。
時価評価の名目GDPを用いた名目経済成長率と、名目GDPから物価変動の影響を取り除いた実質GDPを用いた実質経済成長率があります。
一般的に経済成長率という場合は、実質経済成長率のことを指します。
 
名目経済成長率と実質経済成長率は、次の式で計算します。
 

名目経済成長率の計算式

 

実質経済成長率の計算式

景気動向指数

 
景気動向指数とは、生産や雇用等さまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合したものです。
内閣府毎月公表します。
景気動向指数には、景気変動のテンポや大きさを把握するための指標であるコンポジット・インデックスCI)と、景気の各経済部門への波及の度合いを示す指標であるディフュージョン・インデックスDI)があります。
CIの一致指数が上昇しているときは景気の拡大局面、低下しているときは後退局面と判断されます。
さらに、CIとDIは共通の指数を採用しており、景気に対し先行して動く先行指数(11系列)、ほぼ一致して動く一致指数(10系列)、遅れて動く遅行指数(9系列)の3つの指数があります。
 
景気動向指数採用系列は、下表のとおりです。
 

先行系列
(11系列)

最終需要財在庫率指数(逆サイクル)

鉱工業用生産財在庫率指数(逆サイクル)

新規求人数(除学卒)

実質機械受注(製造業)

新設住宅着工床面積

消費者態度指数

日経商品指数(42種総合)

マネーストック (M2)(前年同月比)

東証株価指数

投資環境指数(製造業)

中小企業売上げ見通しDI

一致系列
(10系列)

生産指数(鉱工業)

鉱工業用生産財出荷指数

耐久消費財出荷指数

所定外労働時間指数(調査産業計)

投資財出荷指数(除輸送機械)

商業販売額(小売業、前年同月比)

商業販売額(卸売業、前年同月比)

営業利益(全産業)

有効求人倍率(除学卒)

輸出数量指数

遅行系列
(9系列)

第3次産業活動指数(対事業所サービス業)

常用雇用指数(調査産業計、前年同月比)

実質法人企業設備投資(全産業)

家計消費支出(勤労者世帯、名目、前年同月比)

法人税収入

完全失業率(逆サイクル)

きまって支給する給与(製造業、名目)

消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、前年同月比)

最終需要財在庫指数

※「逆サイクル」とは、指数の上昇・下降が景気の動きと反対になる指標のことです。


日銀短観(全国企業短期経済観測調査)

 
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)とは、日本銀行が全国約1万社の企業経営者を対象に、資金繰り、雇用人員、業況の見通し等、民間企業の景況感や経営状況を把握するために行ったアンケート調査の報告書のことです。
日本の経済指標の中で一番注目度が高い経済指標です。
日本銀行が、四半期ごとに企業活動の実態に関して調査を行い、公表します。
公表時期は、4月、7月、10月初旬、12月中旬の年4回です。
 
業況判断DIは、日銀短観の調査結果のひとつであり、企業の景況感を表すものです。
日銀短観の中でも、特に大企業、製造業の業況判断DIが注目されています。
 

業況判断DI (%) = 業況を「良い」と回答した企業の割合 − 業況を「悪い」と回答した企業の割合


マネーストック

 
マネーストックとは、一般法人、個人、地方公共団体等の通貨保有主体(金融機関、中央政府、非居住者を除く)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨等)の残高を集計したもので、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量のことです。
日本銀行毎月公表します。
 
マネーストック統計の各指標の定義は、下表のとおりです。
 

M1

M1 = 現金通貨 + 預金通貨

M2

M2 = 現金通貨 + 国内銀行等に預けられた預金通貨、準通貨 ※ 、CD(譲渡性預金)
※ 準通貨 = 定期預金 + 据置預金 + 定期積金 + 外貨預金

M3

M3 = M1 + 準通貨 + CD(譲渡性預金)

広義流動性

広義流動性 = M3 + 金銭の信託 + 投資信託 + 金融債 + 銀行発行普通社債 + 金融機関発行CP + 国債 + 外債


企業物価指数

 
企業物価指数とは、企業間で取引される商品(サービスは除く)の価格変動を示す経済指標のことです。
原材料価格や為替変動の影響が直接反映されるため、消費者物価指数と比較して短期的な変動が大きく、消費者物価指数よりも数字に現れるのが早いのが特徴です。
日本銀行毎月公表します。


消費者物価指数

 
消費者物価指数とは、一般消費者が購入する商品やサービスの小売価格の変動を調査・算出した経済指標のことです。
税金・社会保険料・土地・住宅・有価証券等の価格は含まれません。
各種経済施策や公的年金の年金額の改定等に利用されます。
総務省毎月公表します。


貿易収支

 
貿易収支とは、一定期間における一国の輸出と輸入の差額を示す経済指標のことです。
財務省が公表する貿易統計では通関ベース、財務省日本銀行が共同で公表する国際収支統計では決済ベースと2つの貿易収支があります。