最終更新日: 2023-04-17

親族

 

親族のイメージ

  親族の範囲

 
民法上の親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことです。
親等とは、親族間の遠近を表す単位であり、近い関係にある親族から順に1親等、2親等と続きます。
親等は、直系親族の場合は世代数により数え、傍系親族の場合は共同の祖先にさかのぼり、その祖先からその人に下るまでの世代数により数えます。
例えば、従兄弟の場合は、共同の祖先(祖父母、2親等)にさかのぼり、叔父叔母(3親等)、従兄弟と下るので、4親等となります。
 
養子と養親および血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生じます。
養子縁組による親族関係は、養子の離縁により終了します。
 
姻族とは、婚姻によって生ずる親族関係のことです。
姻族関係は、離婚によって終了します。
なお、夫婦の一方が死亡した場合は、生存している配偶者と死亡した配偶者の血族に対する姻族関係は継続しますが、この際生存している配偶者が市町村長に姻族関係終了の届出を提出した場合は、姻族関係は終了します。
 
親族に関する定義は、下表のとおりです。
 

血族

血縁のある親族(自然血族)
養子縁組によって生じる養子と養親、その血族との間の関係(法定血族)

姻族

婚姻による親族

尊属

父母、祖父母、叔父叔母等、自分よりも前の世代にある者

卑属

子、孫、甥姪等、自分よりも後の世代にある者

直系

血統が一直線につながる系統

傍系

兄弟姉妹・叔父叔母・甥姪等のように共同の始祖を通じてつながる系統

  婚姻中の契約

 
夫婦間での契約は第三者の権利を害しない限り、原則として婚姻中であれば夫婦の一方からいつでも取り消すことができます。


  離婚

 
離婚には、協議離婚調停離婚審判離婚判決離婚があります。
協議離婚は裁判所が関与しませんが、調停離婚、審判離婚、判決離婚は裁判所が関与する離婚方法です。
なお、離婚全体の約9割を協議離婚が占めています。
 
協議離婚の離婚原因は、夫婦間に離婚の合意があれば特に限定されません。
ただし、夫婦に未成年の子がいる場合は、夫婦のどちらを親権者にするかを決めなければ離婚届は受理されません。
 
離婚をする場合、当事者の一方は他方に対して財産分与を請求できます。
ただし、離婚した一方の者が有する財産分与請求権が及ぶ範囲に、相手方が婚姻中に相続により取得した財産は含まれません。
また、財産分与請求権は離婚の時から2年を経過すると消滅します。


  扶養義務者

 
民法上、直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があります。
また、家庭裁判所は特別の事情があるときにおいては、3親等内の親族間に扶養の義務を負わせることができます。