住宅ローンのきほんのバナー

住宅ローンのきほんについてFPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-08-29

はじめに

 
住宅ローンの基礎知識を学ぶ際は、まず「いくら借りられるか」ではなく、「無理なく返済できるか」という視点が重要です。住宅ローンにはさまざまな金利タイプや返済方法があり、選び方によって将来の家計負担は大きく変わります。
このページでは、住宅ローンの仕組みや諸費用、金利タイプ、返済方法、公的融資・民間融資の違い、財形住宅融資やフラット35の特徴まで、住宅購入前に知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。初めて住宅購入を検討している方はもちろん、住宅ローン選びで迷っている方もぜひ参考にしてください。
住宅ローンは借入額が大きく返済期間も長いため、基礎知識を身につけてから商品選びを行うことが大切です。


住宅購入時に必要な自己資金の目安

 
住宅を購入する際は、できるだけ自己資金を準備しておくことで、住宅ローンの借入額を抑えられ、将来の返済負担の軽減につながります。
一般的には、物件価格の1〜2割程度を頭金として用意するとよいとされています。ただし、近年は頭金を抑えて住宅を購入するケースも増えているため、無理のない返済計画を立てることを優先して検討しましょう。
また、住宅の購入時には物件価格以外にも、税金や登記費用、仲介手数料などの諸費用がかかります。諸費用の目安は、一般的に物件価格の5〜10%程度です。これらの費用は契約時や引渡し時に現金で支払うケースが多いため、頭金とは別に準備しておく必要があります。
そのため、自己資金の目安としては、頭金として物件価格の1〜2割程度、さらに諸費用として5〜10%程度を見込み、合計で物件価格の2〜3割程度を準備しておくと、余裕を持って住宅購入を進めやすくなるでしょう。


住宅購入時にかかる主な諸費用

 
住宅を購入する際は、物件価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。諸費用の総額は、一般的に物件価格の5〜10%程度が目安とされています。購入後に慌てないためにも、事前に必要な費用を把握し、資金計画に組み込んでおくことが大切です。
 

取得にかかる費用

 

  • 印紙税
    建築請負契約書や売買契約書、金銭消費貸借契約書などにかかる税金です。
  • 登録免許税
    所有権保存登記や所有権移転登記、抵当権設定登記などにかかる税金です。
  • 不動産取得税
    不動産を取得した際に課される地方税です。
  • 仲介手数料
    不動産会社を通じて物件を購入した場合に支払う手数料です。
  • 司法書士報酬(登記費用)
    登記手続きを司法書士へ依頼した際に支払う報酬です。

 

住宅ローンにかかる費用

 

  • 事務手数料
    住宅ローンの申込みや契約時に金融機関へ支払う手数料です。
  • 保証料
    保証会社を利用する場合に支払う費用です。
  • 登録免許税(抵当権設定)
    住宅ローンの担保として抵当権を設定する際にかかる税金です。
  • 団体信用生命保険(団信)関連費用
    契約者が死亡または高度障害状態になった場合に住宅ローン残高が完済される保険です。金融機関によっては保険料が金利に含まれている場合があります。
  • 火災保険料・地震保険料
    住宅購入時に加入を検討する保険料です。

 

その他の費用

 

  • 引越し費用
  • 家具・家電の購入費用
  • 地鎮祭・上棟式の費用(新築戸建ての場合)
  • 水道引込み工事費用(新築戸建ての場合)
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • カーテンや照明器具などの購入費用

 
住宅購入では、住宅ローンの頭金だけでなく、これらの諸費用も必要になります。購入後の生活に支障が出ないよう、事前に見積もりを行い、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。


住宅ローンの金利タイプとその特徴

 
住宅ローンの金利タイプには、主に「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」の3種類があります。それぞれ特徴やリスクが異なるため、ライフプランや家計状況に合わせて選ぶことが大切です。
 

固定金利型

 
固定金利型は、借入時に決定した金利が一定期間変わらないタイプです。将来の金利上昇の影響を受けにくく、返済計画を立てやすいという特徴があります。
主な種類は次のとおりです。

  • 全期間固定型
    借入時に決定した金利が完済まで変わらないタイプです。毎月の返済額も一定となるため、家計管理がしやすく、長期的な資金計画を立てやすいというメリットがあります。
  • 段階金利型
    あらかじめ定められたスケジュールに従って、一定期間ごとに金利が変更されるタイプです。将来の金利変動が事前にわかるため、返済額の見通しを立てやすい特徴があります。

 

変動金利型

 
変動金利型は、市場金利の動向に応じて金利が見直されるタイプです。一般的に固定金利型よりも当初の金利が低く設定される傾向があります。
多くの金融機関では、金利は半年ごとに見直され、返済額は5年ごとに見直される仕組み(5年ルール)が採用されています。また、返済額の増加を前回の125%以内に抑える仕組み(125%ルール)を設けている金融機関もあります。ただし、これらのルールを採用していない金融機関もあるため、事前に確認することが重要です。
一方で、将来金利が上昇した場合には返済負担が増える可能性があります。金利上昇幅が大きい場合には未払利息が発生することもあり、その取扱いは金融機関ごとに異なります。
 

固定金利選択型

 
固定金利選択型は、借入当初の一定期間について固定金利が適用されるタイプです。固定期間終了後は、再び固定金利を選択するか、変動金利へ切り替えるかを選ぶことができます。
固定期間終了後は、その時点の金利水準を基に返済額が見直されます。一般的に固定期間が長いほど当初の金利は高く設定される傾向があります。
子どもの教育費負担が大きい時期や、転職・退職などのライフイベントが予定されている期間だけ返済額を安定させたい場合に活用しやすい金利タイプです。
 

住宅ローンの金利タイプの比較

 

金利タイプ

当初金利

金利上昇リスク

返済額の安定性

全期間固定金利

高い傾向

なし

高い

変動金利

低い傾向

あり

低い

固定金利選択型

中程度

固定期間終了後あり

中程度


元利均等返済と元金均等返済の違い

 
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の主に2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、ご自身の家計状況や将来のライフプランに合わせて選ぶことが大切です。
 

元利均等返済

 
元利均等返済とは、元金(借入額)と利息を合わせた毎月の返済額が、返済期間を通じてほぼ一定となる返済方法です。
毎月の返済額が変わらないため、家計管理がしやすく、返済計画を立てやすいというメリットがあります。
一方で、返済開始当初は返済額に占める利息の割合が高いため、元金の減少ペースは比較的緩やかになります。返済が進むにつれて元金の返済割合が増え、利息の割合は少なくなっていきます。
 

元金均等返済

 
元金均等返済とは、毎月返済する元金の額を一定とし、それにローン残高に応じた利息を加えて返済する方法です。
返済が進むにつれてローン残高が減少するため、利息負担も徐々に少なくなり、毎月の返済額は次第に減っていきます。
返済開始当初の負担は元利均等返済より大きくなる傾向がありますが、元金の減りが早いため、総返済額を抑えやすいという特徴があります。
 

元利均等返済と元金均等返済の比較

 

 

項目

元利均等返済

元金均等返済

毎月の返済額

一定

徐々に減少

返済開始時の負担

小さい

大きい

家計管理のしやすさ

しやすい

しにくい

元金の減る速さ

遅い

早い

総返済額

多い傾向

少ない傾向

 
同じ借入額・返済期間・金利で比較した場合、一般的に総返済額は「元利均等返済」の方が多くなり、「元金均等返済」の方が少なくなります
そのため、

  • 毎月の返済額を一定にして家計管理のしやすさを重視する場合は、元利均等返済
  • 返済開始当初の負担が大きくなっても、総返済額を抑えたい場合は、元金均等返済

が選択肢となります。


住宅ローンの種類

 
住宅ローンには、大きく分けて「公的融資」と「民間融資」の2種類があります。それぞれ対象者や利用条件、商品内容が異なるため、特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
 

公的融資

 
公的融資とは、住宅取得を支援するために、公的機関や地方自治体などが提供する融資制度です。代表的なものには、財形住宅融資や自治体融資があります。

  • 財形住宅融資
    財形住宅融資は、勤務先で財形貯蓄制度を利用している人を対象とした住宅ローンです。財形貯蓄を1年以上継続し、申込時の財形貯蓄残高が50万円以上あることなどが利用条件となっています。
    融資額は、財形貯蓄残高の10倍(上限4,000万円)かつ住宅取得価格の90%以内となります。金利は5年間固定され、その後は5年ごとに見直されます。
  • 自治体融資
    自治体融資は、都道府県や市区町村が独自に実施している住宅取得支援制度です。融資制度の有無や利用条件、金利優遇の内容などは自治体によって異なります。また、住宅ローンそのものではなく、利子補給や補助金制度として支援を行うケースもあります。

 

民間融資

 
民間融資とは、銀行、信用金庫、信用組合、保険会社、ノンバンクなどの民間金融機関が提供する住宅ローンです。現在、住宅ローンの多くは民間金融機関を通じて利用されています。
主な特徴は以下のとおりです。

  • 金利タイプや返済方法の選択肢が豊富
  • 審査基準やサービス内容が金融機関ごとに異なる
  • 団体信用生命保険(団信)が充実している商品が多い
  • 不動産会社やハウスメーカーと提携した提携住宅ローンがあり、金利優遇や手続きの簡略化が期待できる

 
住宅ローンを選ぶ際は、金利だけでなく、保障内容や手数料、繰上返済のしやすさなども含めて比較することが重要です。


財形貯蓄制度の種類と特徴

 
財形住宅融資を利用するためには、勤務先の財形貯蓄制度を利用していることが条件の一つとなります。
財形貯蓄制度とは、給与や賞与からの天引きによって計画的に資産形成を行う制度です。主な制度には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があります。
 

勤労者財産形成年金貯蓄制度(財形年金貯蓄)

 
財形年金貯蓄は、老後の生活資金を準備することを目的とした制度です。
主な利用条件は次のとおりです。

  • 国内に住所を有する55歳未満の勤労者であること
  • 勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していること
  • 給与天引きによる積立を継続すること
  • 60歳以降に年金として受け取ること

 
一定の要件を満たした場合、財形住宅貯蓄と合算して元本550万円までの利子等が非課税となります。
 

勤労者財産形成住宅貯蓄制度(財形住宅貯蓄)

 
財形住宅貯蓄は、住宅の購入や増改築資金の準備を目的とした制度です。
主な利用条件は次のとおりです。

  • 国内に住所を有する55歳未満の勤労者であること
  • 勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していること
  • 給与天引きによる積立を継続すること
  • 積立金を住宅の取得や増改築などの目的で利用すること

 
一定の要件を満たした場合、財形年金貯蓄と合算して元本550万円までの利子等が非課税となります。
 

財形貯蓄制度の比較

 
3種類の財形貯蓄制度の主な違いは、次のとおりです。
 

項目

一般財形貯蓄

財形年金貯蓄

財形住宅貯蓄

利用目的

自由

老後資金の準備

住宅取得・増改築等

加入対象

勤労者

55歳未満の勤労者

55歳未満の勤労者

積立期間の目安

3年以上

5年以上

5年以上

払出し目的

自由

年金として受給

住宅取得・増改築等

税制優遇

なし

元本550万円までの利子等が非課税(※1 ※2

元本550万円までの利子等が非課税(※1)

※1:財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を併用する場合、非課税枠は合算して元本550万円までとなります。
※2:保険型商品(生命保険料・共済掛金・損害保険料)の場合、財形年金貯蓄の非課税限度額は385万円です。非課税枠の残り165万円は、財形住宅貯蓄の非課税枠として利用できます。


フラット35とは

 
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型の住宅ローンです。借入時に適用された金利が返済終了まで変わらないため、将来の金利上昇による返済額の増加リスクを抑えられることが大きな特徴です。
実際に融資を行うのは民間金融機関であり、住宅金融支援機構が直接融資するわけではありません。
 
フラット35には「買取型」と「保証型」の2種類があります。

  • 買取型
    買取型は、民間金融機関が貸し出した住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取り、その債権を証券化して投資家に販売する仕組みです。フラット35の中では最も一般的な方法となっています。金利や手数料は金融機関ごとに異なりますが、商品内容は原則として共通です。
  • 保証型
    保証型は、民間金融機関が貸し出した住宅ローンに対して、住宅金融支援機構が保険・保証の仕組みを提供する方式です。商品内容や金利条件などは金融機関ごとに異なります。現在は買取型が主流であり、保証型を取り扱う金融機関は限られています。

 

申込要件

 
申込みにあたっては、主に次の要件を満たす必要があります。

  • 申込時の年齢が70歳未満であること(親子リレー返済を利用する場合は70歳以上でも申込可能)
  • 日本国籍を有する者、永久許可を受けている者または特別永住者であること
  • 年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)が、次の基準を満たすこと
    • 年収400万円未満:30%以下
    • 年収400万円以上:35%以下

 

資金使途

 
対象となるのは次のような住宅資金です。

  • 本人または親族が居住する新築住宅の建設・購入
  • 中古住宅の購入
  • セカンドハウスの取得

 

住宅要件

 
対象住宅は、住宅金融支援機構が定める技術基準を満たす必要があります。
主な要件は次のとおりです。

  • 住宅の床面積が、以下の基準に適合していること
    • 一戸建て・連続建て・重ね建て:50㎡以上
    • 共同建て(マンション等):30㎡以上
    • 店舗付き住宅等の併用住宅:住宅部分の床面積が全体の2分の1以上
  • 2023年4月以降に設計検査申請が行われた新築住宅については、次のいずれかの省エネルギー基準に適合していること
    • 断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上
    • 建築物エネルギー消費性能基準(別途、結露防止措置の基準あり)

 

借入額

 

  • 100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)で、建築費または購入価格以内

 

借入期間

 
15年(申込み本人または連帯債務者が60歳以上の場合は10年)以上で、かつ、次の1または2のいずれか短い年数(1年単位)が上限となります。

  1. 80歳 − 申込時の年齢(1年未満切上げ)
  2. 35年

 

借入金利

 

  • 全期間固定金利
  • 資金受取時の金利を適用
  • 借入金利は取扱金融機関ごとに異なる
  • 借入期間(20年以下・21年以上)、融資率(9割以下・9割超)、加入する団体信用生命保険の種類などに応じて、借入金利が異なる

 

返済方法

 

  • 元利均等返済または元金均等返済
  • ボーナス返済併用可(借入額の40%以内、1万円単位)

 

繰上返済

 

  • 返済中に融資金の全部または一部を繰り上げて返済することが可能
  • 返済額
    • インターネットサービス「住・My Note」を利用して手続きする場合:10万円以上
    • 金融機関の窓口で手続きする場合:100万円以上
  • 繰上返済手数料は無料

 

その他

 

  • 担保:対象住宅および敷地に、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定
  • 保証人:不要
  • 保証料:不要
  • 火災保険:返済期間中は加入が必要

フラット35の金利引下げ制度

 
フラット35には、家族構成や住宅性能、地域の支援制度などに応じて金利が引き下げられる制度があります。
対象となる条件に応じてポイントが付与され、その合計ポイント数に応じて金利の引下げ幅や適用期間が決まります。住宅の取得条件によっては複数の制度を併用できる場合もあります。
主な金利引下げ制度は次のとおりです。
 

フラット35 子育てプラス

 
子育て世帯または若年夫婦世帯を対象とした制度です。
対象となるのは、申込年度の4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯です。
子どもの人数などに応じてポイントが加算され、一定期間金利の引下げを受けることができます。
 

フラット35 S

 
省エネルギー性や耐震性、バリアフリー性などに優れた住宅を取得する場合に利用できる制度です。
長期優良住宅や一定の技術基準を満たした住宅を取得する場合、住宅性能に応じて一定期間金利が引き下げられます。
 

フラット35 S(ZEH)

 
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を取得する場合に利用できる制度です。
高断熱性能や高効率設備を備え、再生可能エネルギーの活用により年間の一次エネルギー消費量の収支を実質ゼロ以下にすることを目指した住宅が対象となります。
一般的なフラット35 Sよりも高い住宅性能が求められます。
 

フラット35 リノベ

 
中古住宅の購入とあわせて性能向上リフォームを行う場合に利用できる制度です。
購入後に自らリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」と、事業者がリフォームを実施した住宅を購入する「買取再販タイプ」があります。
一定の性能基準を満たすことで、当初一定期間の金利引下げを受けることができます。
 

フラット35 維持保全型

 
長期にわたり良好な状態で維持管理できる住宅や、既存住宅の流通促進に資する住宅を取得する場合に利用できる制度です。
長期優良住宅や管理計画認定マンションなど、一定の基準を満たす住宅が対象となります。
 

フラット35 地域連携型

 
地方公共団体による住宅取得支援制度と連携して実施される制度です。
子育て支援や空き家対策、地方移住促進などに取り組む自治体から補助金などの支援を受ける場合、フラット35の金利引下げをあわせて利用できることがあります。
 

フラット35 地方移住支援型

 
地方公共団体が実施する移住支援制度を利用して住宅を取得する場合に適用される制度です。
自治体による移住支援金などの財政支援とあわせて、一定期間金利の引下げを受けることができます。
 
フラット35を利用する場合は、住宅性能や家族構成によって金利優遇を受けられる可能性があるため、申込み前に利用できる制度がないか確認しておくことが重要です。


団体信用生命保険(団信)とは

 
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態となった場合に、保険金によって住宅ローン残高が弁済される保険です。
住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合でも、残された家族に住宅ローンの返済負担が残らないようにすることを目的としています。そのため、多くの金融機関では住宅ローンの利用条件として団信への加入を求めています。
近年は、死亡・高度障害保障に加え、がん保障や三大疾病保障、全疾病保障などを付帯できる団信も増えており、住宅ローン利用者のさまざまなリスクに備えられるようになっています。
多くの住宅ローンでは、団信の保険料が住宅ローン金利に含まれているため、別途保険料を支払う必要はありません。ただし、保障内容を充実させる特約を付帯する場合は、金利が上乗せされることがあります。
また、団信には健康状態に関する告知が必要であり、健康上の理由により加入できない場合があります。そのような場合には、引受基準が緩和された「ワイド団信」を利用できることもありますが、一般的に金利の上乗せが必要となります。
住宅ローンを選ぶ際は、金利だけでなく、団信の保障内容や加入条件についても比較・検討することが重要です。


住宅ローンの借換えとは

 
住宅ローンの借換えとは、現在返済中の住宅ローンを新たな住宅ローンに変更し、その資金で既存の住宅ローンを一括返済することをいいます。
借換えの主な目的は、より低い金利の住宅ローンへ変更することで利息負担を軽減し、総返済額や毎月の返済額を抑えることです。また、金利タイプの見直しや団体信用生命保険(団信)の保障内容を充実させるために借換えを利用するケースもあります。
 
ただし、借換えを検討する際は、金利差だけで判断しないことが重要です。借換えには次のような諸費用が発生します。

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 印紙税
  • 司法書士報酬
  • 抵当権抹消登記費用
  • 抵当権設定登記費用

そのため、借換えによる利息軽減効果が、これらの諸費用を上回るかどうかを事前に確認する必要があります。
 
また、借換えの際には新たに住宅ローンの審査を受ける必要があります。加えて、団体信用生命保険(団信)についても、借換え先の金融機関が指定する団信へ原則として再加入しなければなりません。
 

借換えを検討する際の目安

 
一般的には、次の条件に当てはまるほど借換えによるメリットを得やすいとされています。

  • ローン残高が1,000万円以上ある
  • 残りの返済期間が10年以上ある
  • 現在のローンと借換え後のローンの金利差が1%以上ある

 
ただし、借換えによる効果は借入残高や残存期間、諸費用によって大きく異なるため、金利差だけで判断するのではなく、金融機関のシミュレーションなどを活用して総合的に検討することが大切です。


住宅ローンの繰上げ返済とは

 
繰上げ返済とは、手元資金を利用して住宅ローンの元金の一部または全額を、当初の返済計画よりも早く返済することです。
繰上げ返済を行うと元金が減少するため、その後に発生する利息も少なくなります。その結果、総返済額を軽減できることが大きなメリットです。
 

繰上げ返済の種類と比較

 
繰上げ返済には、主に「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

  • 返済期間短縮型
    毎月の返済額はそのままに、返済期間を短縮する方法です。元金を早く減らせるため、利息軽減効果が大きく、総返済額をより抑えやすいのが特徴です。
  • 返済額軽減型
    返済期間は変更せず、毎月の返済額を減らす方法です。利息軽減効果は返済期間短縮型より小さくなりますが、毎月の返済負担を軽減できるため、家計にゆとりを持たせたい場合に有効です。

 

項目

返済期間短縮型

返済額軽減型

毎月の返済額

変わらない

少なくなる

返済期間

短くなる

変わらない

利息軽減効果

大きい

比較的小さい

 

繰上げ返済を行う際の注意点

 
繰上げ返済を行う場合は、住宅ローンの返済だけでなく、生活費や教育資金、老後資金などの将来必要となる資金とのバランスを考えることが重要です。
また、金融機関によって最低返済額や手数料の有無、手続方法が異なります。近年はインターネット経由で手続きを行うことで、繰上げ返済手数料が無料となるケースも増えています。
繰上げ返済を検討する際は、無理に手元資金を減らしすぎず、十分な生活予備資金を確保したうえで実施しましょう。


FP試験での出題ポイント

 
FP試験では、住宅ローンに関する基本的な仕組みや制度について頻繁に出題されます。
特に次のポイントはよく問われるため、しっかり押さえておきましょう。
 
① 住宅ローンの金利タイプ

  • 固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の違い
  • 変動金利型の「5年ルール」「125%ルール」
  • 各金利タイプのメリット・デメリット

 
② 返済方法の違い

  • 元利均等返済と元金均等返済の特徴
  • 総返済額は一般的に「元利均等返済 > 元金均等返済」
  • 元金均等返済は返済当初の負担が大きい

 
③ 財形住宅融資と財形貯蓄制度

  • 財形住宅融資の利用要件
  • 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の非課税制度
  • 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の非課税枠は合算して元本550万円まで

 
④ フラット35

  • 全期間固定金利型の住宅ローンであること
  • 民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供していること
  • 保証人や保証料が不要であること
  • 金利引下げ制度の概要

 
⑤ 団体信用生命保険(団信)

  • 契約者が死亡または高度障害状態になった場合に住宅ローン残高が弁済されること
  • 多くの民間住宅ローンで加入が求められていること

 
⑥ 借換え・繰上げ返済

  • 借換えは金利負担の軽減を目的として行うこと
  • 借換え時には諸費用や再審査が必要であること
  • 繰上げ返済には「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」があること
  • 利息軽減効果は返済期間短縮型の方が大きいこと