国民年金
最終更新日: 2025-09-28

国民年金の全体像

 
国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人が加入する公的年金制度です。加入者は、老齢・障害・死亡などの事由により、基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)を受給することができます。
国民年金の被保険者は、以下の3つの区分に分かれます。
 

 

第1号被保険者

第2号被保険者

第3号被保険者

対象者

自営業者、学生、フリーター、無職の人など

会社員、公務員など ※1

第2号被保険者の被扶養配偶者 ※2

年齢要件

20歳以上60歳未満

制限なし ※3

20歳以上60歳未満

国内居住要件

必要

不要

必要

保険料

2025(令和7)年度
月額17,510円

厚生年金保険料に含まれる
標準報酬月額・賞与額 × 18.3%(労使折半)

保険料負担なし ※4

納付方法

納付書、口座振替など

給与からの天引き

※1:厚生年金保険の適用事業所に勤務している人は、自動的に国民年金にも加入しています。
※2:年収が130万円以上で健康保険の扶養に入れない場合は、第1号被保険者となります。
※3:老齢年金の受給権を得た場合、第2号被保険者の資格は失われます。
※4:第2号被保険者が加入する厚生年金保険や共済組合等の保険者が、基礎年金拠出金として保険料の一部を負担しています。


国民年金の保険料(第1号被保険者)

 
第1号被保険者の国民年金保険料は、所得や職業に関係なく一律で定められています。

  • 2025(令和7)年度:月額17,510
  • 2026(令和8)年度:月額17,920

なお、国民年金には2年分の前納制度があるため、翌年度分の保険料も事前に公表されます。


国民年金の保険料の納付期限と納付方法(第1号被保険者)

 
国民年金の第1号被保険者が毎月支払う保険料の納付期限は、原則として翌月の末日です。納付方法にはいくつかの選択肢があり、月々の納付に加えて、前もって複数月分を支払う前納制度や毎月の支払いを早めることで割引が受けられる早割制度が設けられています。
前納制度では、6か月分1年分2年分の保険料をまとめて支払うことができ、支払い方法によって割引率が異なります。たとえば、口座振替による前納は、現金払いやクレジットカード払いと比べて割引率が高く設定されています。
一方、早割制度は、口座振替を利用して保険料の引き落とし日を通常の翌月末ではなく当月末に変更することで、毎月50円の割引が適用される仕組みです。
なお、保険料を滞納した場合には注意が必要です。納付期限から2年を過ぎると、時効によりその期間の保険料は納付できなくなります。これは将来の年金受給資格や受給額に影響を及ぼす可能性があるため、期限内の納付が重要です。


国民年金の任意加入制度

 
国民年金の任意加入制度とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、保険料の納付期間が40年(480月)に達しておらず、満額の年金を受け取れない場合などに、年金額の増額を希望する方が60歳以降も国民年金に加入できる制度です。
ただし、加入は申出をした月から開始され、過去にさかのぼって加入することはできません。
 
以下の条件をすべて満たす方が対象となります。

  • 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
  • 20歳以上60歳未満までの保険料納付期間が480月(40年)未満の方
  • 厚生年金保険や共済組合等に加入していない方
  • 日本国籍を有していない場合でも、在留資格が以下に該当しない方
    • 特定活動(医療滞在またはその付添人)
    • 特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在またはその同行配偶者)

 
上記に加えて、以下の方も任意加入することができます。

  • 年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方
  • 海外に居住している日本人で、20歳以上65歳未満の方

国民年金保険料の免除・納付猶予制度

 
国民年金保険料の免除・納付猶予制度とは、第1号被保険者が経済的な理由などにより保険料の納付が困難な場合に、申請により保険料の免除または納付の猶予を受けられる制度です。

法定免除制度

 
以下のいずれかに該当する方は、国民年金保険料免除事由届を提出することで、保険料が全額免除されます。

  • 生活保護の生活扶助を受けている方
  • 障害基礎年金または被用者年金の障害年金(2級以上)を受給している方
  • 国立ハンセン病療養所等で療養している方

申請免除制度

 
本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月〜6月に申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合や、失業などにより保険料の納付が困難な場合、申請後に承認されると保険料が免除されます。
免除の種類は、全額免除3/4免除半額免除1/4免除の4段階です。

産前産後期間の免除制度

 
第1号被保険者が出産する場合、以下の期間の保険料が免除されます。

  • 単胎妊娠:出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間
  • 多胎妊娠:同月の3か月前から6か月間

なお、この期間中も付加保険料の納付は可能です。
さらに、免除された期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。

保険料納付猶予制度

 
20歳以上50歳未満の第1号被保険者で、本人または配偶者の前年所得(1月〜6月に申請する場合は前々年所得)が一定以下の場合、申請後に承認されると保険料の納付が猶予されます。

学生納付特例制度

 
第1号被保険者である学生本人の所得が一定以下の場合、申請後に承認されると在学中の保険料の納付が猶予されます。

保険料免除・納付猶予された期間の年金額

 
保険料の免除・納付猶予を受けた期間がある場合、老齢基礎年金の年金額は、保険料を全額納付した場合と比べて減額されます。
以下は、2009(平成21)年4月以降の期間における反映率です。
 

免除・納付猶予の種類

年金額への反映(全額納付時との比較)

全額免除

1/2

3/4免除

5/8

半額免除

6/8 ( = 3/4 )

1/4免除

7/8

納付猶予

反映されません

国民年金保険料の追納制度

 
国民年金保険料の追納制度とは、保険料の免除・納付猶予、または学生納付特例の承認を受けた期間について、後から保険料を納める(追納する)ことで、老齢基礎年金の受給額を増やすことができる制度です。
追納が可能な期間は、追納の申請が承認された月の前10年以内に該当する、免除・猶予・学生納付特例の承認を受けた期間に限られます。


年金の裁定請求

 
年金の裁定請求とは、年金の受給資格があることを確認し、年金の支払いを受けるために行う正式な請求手続きです。
年金の支給開始年齢に達する3か月前になると、日本年金機構から「年金請求書」が送付されます。この請求書を使用し、支給開始年齢到達日以降に裁定請求の手続きを行います。
裁定請求の受付窓口は、加入履歴によって異なります。国民年金(第1号被保険者)のみの加入歴がある方は、住所地の市区町村役場が窓口となります。厚生年金や共済組合などの加入歴がある方は、原則として、住所地を管轄する年金事務所、または最後に勤務していた事業所を管轄する年金事務所が窓口となります。
一度年金の裁定が行われると、その後に裁定の取消しや変更を行うことはできません。請求内容に誤りがないよう、事前に十分な確認が必要です。


年金の支給期間と支給日

 
年金は、受給権が発生した月の翌月分から、受給権が消滅した月(通常は受給者が死亡した月)まで支給されます。
支給日は原則として偶数月の15日で、前月までの2か月分がまとめて支払われます(例:4月15日には、2月・3月分の年金が支給されます)。