生命保険のきほん
最終更新日: 2025-10-05

生命保険の種類

 
生命保険は、基本的に以下の3つのタイプの保険を組み合わせて構成されています。
 

死亡保険

 
死亡保険は、被保険者が病気や事故などで死亡した場合、または高度障害状態になった場合に保険金が支払われる保険です。
主に以下の2種類があります。

  • 定期保険:契約期間中の死亡を保障する保険。期間が限定されています。
  • 終身保険:被保険者が亡くなるまで、一生涯にわたって保障が続く保険です。

 

生存保険

 
生存保険は、被保険者が一定期間生存していた場合に保険金が支払われる保険です。主に貯蓄や資産形成を目的として利用されます。
 

生死混合保険

 
生死混合保険は、死亡保険と生存保険の両方の機能を持つ保険です。一定期間内に被保険者が死亡または高度障害状態になった場合には、死亡保険金または高度障害保険金が支払われます。一方で、その期間を無事に生存していた場合には、満期保険金が支払われます。代表的な生死混合保険として「養老保険」があります。


生命保険の保険料のしくみ

 
生命保険の保険料は、以下の3つの予定基礎率をもとに計算されます。
 

予定死亡率

 
過去の統計データをもとに、年齢や性別ごとに算出された死亡率です。保険会社はこの率を参考に、将来の死亡リスクを見積もります。
 

予定利率

 
保険会社が資産運用によって得られると見込んでいる運用利回りです。この利率が高いほど、保険料は安くなる傾向があります。
 

予定事業費率

 
保険会社が保険業務を運営するために必要と見込む経費の割合です。営業活動や事務処理などのコストが含まれます。
 

生命保険の保険料

 
保険料は保険金の支払いに充てられる部分の純保険料と、保険会社の運営に必要な経費に充てられる部分の付加保険料の2つの要素で構成されています。
さらに、純保険料は死亡保険金の支払いに充てられる部分の死亡保険料と、生存保険金の支払いに充てられる部分の生存保険料の2つに分かれます。
純保険料は予定死亡率予定利率に基づいて算出され、付加保険料は予定事業費率に基づいて算出されます。


生命保険の配当金のしくみ

 
上記3つの予定基礎率に基づいて算出された保険料と、実際の死亡者数・運用実績・事業費との間には差が生じることがあります。この差によって生まれる余剰金剰余金)がある場合、保険会社は契約者に配当金として還元します。
剰余金が発生した場合に、契約者に配当金が支払われる保険を有配当保険と呼びます。一方、配当金の支払いがない保険を無配当保険と呼びます。無配当保険は保険料が比較的安価であることが多いです。
さらに、有配当保険の中には、利差益(予定利率と実際の運用利回りの差による利益)のみを配当金として支払うタイプがあります。これを準有配当保険または利差配当付保険と呼びます。


必要保障額の計算

 
必要保障額とは、世帯主が死亡した場合に、遺族が生活を維持するために必要となる金額のことです。この金額は、家族構成、現在の収入、資産状況、子どもの年齢などによって異なり、一般的には末子が誕生した時点が最も高額になります。
 
必要保障額は、以下の式で算出されます。
 

必要保障額 = 死亡後の支出見込額 − 死亡後の収入見込額

 
この差額が、生命保険で備えるべき金額となります。生命保険を検討する際は、この必要保障額をまかなえるかどうかを基準にすることが重要です。
 

主な死亡後の支出見込額

 

  • 末子が独立するまでの遺族の生活費
  • 末子独立後の配偶者の生活費
  • 子どもの教育資金
  • 結婚資金(親からの援助)
  • 住宅費用(ローン残債など)
  • 葬儀費用
  • 相続にかかる費用
  • 予備費(予期せぬ支出への備え)

 

主な死亡後の収入見込額

 

  • 社会保障(遺族年金など)
  • 企業からの保障(死亡退職金、弔慰金など)
  • 預貯金
  • 有価証券(株式・債券など)
  • 売却可能資産(不動産など)
  • 配偶者の労働収入
  • 生命保険の保険金

 
このように、必要保障額は家庭ごとに大きく異なります。ライフステージの変化に応じて定期的に見直すことが大切です。


個人向け生命保険商品

 
生命保険は、基本となる主契約に、必要に応じて特約(オプション保障)を付加することで、保障内容を柔軟にカスタマイズできます。
主な個人向け生命保険商品には、以下のようなものがあります。

定期保険

 
定期保険とは、一定期間内に被保険者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、保険金が支払われる保険です。保障期間が限定されているため、比較的保険料が抑えられるのが特徴です。
定期保険には、以下のようなタイプがあります。

  • 定額型:契約期間中、保険金額が一定のまま変わらないタイプ
  • 逓減型:契約後、一定期間ごとに保険金額が徐々に減少するタイプ(住宅ローン返済などに連動)
  • 逓増型:契約後、一定期間ごとに保険金額が増加するタイプ(将来の保障ニーズに対応)

定期保険は、保険期間満了後に更新することで、保険会社が定める年齢まで保障を継続することが可能です。この際、被保険者の健康状態にかかわらず更新できるのがメリットですが、更新時の年齢や保険料率に基づいて保険料が再計算されるため、保険料は通常高くなります

終身保険

 
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く保険です。死亡または所定の高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。
終身保険には、以下のような保険料の払込方法があります。

  • 終身払込:生涯にわたって保険料を支払い続ける方法
  • 有期払込:一定期間で保険料の支払いが完了する方法
  • 一時払い:契約時に保険料を一括で支払う方法

終身払込と有期払込では、原則として保険料は払込期間中一定です。ただし、有期払込の方が1回あたりの保険料は高くなる傾向があります。
終身保険には解約返戻金があり、保険期間の経過とともにその金額は増加します。そのため、死亡保障が不要になった場合には、老後の生活資金などに充てることも可能です。
商品によっては、保険料の払込期間が満了した後に、所定の条件のもとで年金などの保障内容に変更できる場合もあります。老後のライフプランに合わせた柔軟な活用が可能です。

定期保険特約付終身保険

 
定期保険特約付終身保険とは、主契約である終身保険に、特約として定期保険を組み合わせた保険です。一生涯の保障を確保しつつ、必要な時期に保障額を厚くすることができるため、比較的低い保険料で効率的な保障設計が可能です。
組み合わせる定期保険特約には、以下の2つのタイプがあります。

  • 更新型
    一定期間ごとに特約部分を自動更新できるタイプです。更新時には告知や診査が不要で、保険会社が定める年齢まで保障を継続できます。ただし、保険料は更新時の年齢に基づいて再計算されるため、更新後は保険料が高くなる傾向があります。
  • 全期型
    契約時に定めた保険期間を通じて、特約部分の保障と保険料が一定のまま継続されるタイプです。更新がないため、保険料の上昇リスクを避けたい方に適しています。

この保険は、ライフステージに応じて保障を調整したい方や、保険料を抑えつつ手厚い保障を確保したい方に向いています。

無選択型終身保険

 
無選択型終身保険とは、生命保険会社が健康状態による審査(危険選択)を行わず、告知や診査なしで加入できる終身保険です。
健康状態にかかわらず加入できるため、以下のような特徴があります。

  • 加入条件が緩やかな一方で、保障内容には制約が設けられている
  • 一般的な終身保険に比べて、死亡保険金は低めに設定されている
  • 保険料は割高になる傾向がある

この保険は、持病がある方や健康状態に不安がある方でも加入しやすい反面、保障の範囲や金額には注意が必要です。

養老保険

 
養老保険とは、一定の保険期間内に被保険者が死亡または所定の高度障害状態になった場合には死亡保険金または高度障害保険金が支払われ、保険期間満了時に被保険者が生存していた場合には満期保険金が支払われる保険です。死亡保険金(または高度障害保険金)と満期保険金は同額であり、いずれかが支払われた時点で契約は終了します。
保障と貯蓄の両方の機能を兼ね備えた保険であり、死亡保障を確保しながら、満期時には資金を受け取ることができます。このため、同額の保険金に対しての保険料は、一般的に終身保険や定期保険よりも高めに設定されています。
養老保険は、教育資金や老後資金の準備をしながら、万が一の備えもしたい方に適した保険です。

定期保険特約付養老保険

 
定期保険特約付養老保険とは、主契約である養老保険に、特約として定期保険を組み合わせた保険です。この組み合わせにより、一時的に保障を手厚くしながら、満期時には貯蓄性のある保険金を受け取ることができます。
定期保険特約を付加することで、保険期間中の一定期間において保障額を増やすことが可能です。保険期間満了時に被保険者が生存していれば、主契約である養老保険の満期保険金を受け取ることができます。定期保険特約を付加できる期間は、養老保険の保険期間の満了までに限られます。
この保険は、保障と貯蓄の両方をバランスよく備えたい方に適しており、特に子育て期など一時的に保障を厚くしたいライフステージに有効です。

利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)

 
利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)とは、保険料の一部を積立部分(主契約)として運用し、残りを保障部分(特約)として死亡保障や医療保障などに充てる仕組みの保険です。積立部分には、契約後に一定期間ごとに見直される適用利率が設定されており、最低保証利率があるため、元本割れのリスクを抑えることができます。
保険料の払込期間が満了すると、積立金の全部または一部を一時払保険料として活用し、告知なしで終身保険や個人年金保険に移行することが可能です。保険料払込期間中に被保険者が死亡した場合には、積立金相当額が死亡保険金として支払われます
この保険は、保障と資産形成を両立したい方に適しており、将来のライフプランに応じて柔軟に活用できるのが特徴です。

収入保障保険(生活保障保険)

 
収入保障保険(生活保障保険)とは、被保険者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、契約時に定めた保険期間の満了まで、保険金を年金形式で定期的に受け取ることができる保険です。この保険は、遺族の生活費など、継続的な支出に備えることを目的としており、特に子育て世代などに適しています。
保険金の受け取り方法には以下の2つの方法があります。

  • 年金形式での受け取り:毎月または年ごとに一定額の保険金が支払われ、生活費の補填に役立ちます。
  • 一時金での受け取り:希望により、保険金をまとめて一括で受け取ることも可能です。ただし、一時金で受け取る場合は、年金形式で受け取る場合に比べて総受取額が少なくなるのが一般的です。

この保険は、万が一の際に家族の生活を安定的に支えるための手段として有効です。

変額保険

 
変額保険とは、保険会社が特別勘定(投資信託や債券など)を通じて資産運用を行い、その運用実績に応じて保険金額が変動する保険です。死亡保険金、解約返戻金、満期保険金のいずれも、運用成果によって増減します。
死亡または所定の高度障害状態になった場合には、以下の保険金が支払われます。

  • 基本保険金(死亡保険金・高度障害保険金):運用実績にかかわらず最低保証される金額
  • 変動保険金:特別勘定の運用成果に応じて増減する部分

有期型の変額保険では、解約返戻金や満期保険金に最低保証がないため、運用実績によっては基本保険金額を上回る場合もあれば下回る場合もありますそのため、資産運用のリスクを理解したうえで加入することが重要です。
この保険は、保障と資産運用を組み合わせたい方に向いています。

医療保障保険

 
医療保障保険とは、病気やけがによる入院や所定の手術を受けた際に、給付金を受け取ることができる保険です。
医療費の負担軽減や、治療中の生活支援を目的として活用されます。

がん保険

 
がん保険とは、がんによる入院や所定の手術を受けた際に、給付金を受け取ることができる保険です。また、がんが原因で死亡した場合には、死亡保険金が支払われます。
契約後すぐに保障が開始されるわけではなく、保険会社が定める免責期間(一般的に90日間)があります。この期間内にがんと診断された場合は、給付の対象外となり、通常は契約が無効となります。ただし、免責期間中にがんと診断された場合でも、告知義務違反がない限り、保険会社によっては払い込んだ保険料が返金されることがあります。
この保険は、がんに特化した保障を希望する方に適しており、医療保障保険と組み合わせて加入するケースも多く見られます。

個人年金保険

 
個人年金保険とは、契約時に定めた年齢に達すると、年金として給付金を受け取ることができる保険です。老後の生活資金を計画的に準備するための手段として活用されます。
保険料の支払方法には、一時払い・年払い・半年払い・月払いがあります。
同じ契約条件で比較した場合、保険料の総支払額が最も少ないのは一時払いです。
年金の支払期間に応じて、以下の種類があります。

  • 確定年金
    契約時に定めた一定期間、生死に関係なく年金を受け取れるタイプです。年金の代わりに、将来の年金の現価に相当する一括支払い(現金受取)を選択することも可能です。年金受取期間中に被保険者が死亡した場合は、残存期間分の年金または一時金が遺族に支払われます
  • 有期年金
    契約時に定めた期間中、被保険者が生存している限り年金を受け取れるタイプです。年金受取期間中に死亡した場合は、それ以降の年金は支払われません
  • 保証期間付有期年金
    有期年金に保証期間が付いたタイプです。保証期間中に被保険者が死亡した場合は、残存期間分の年金または一時金が遺族に支払われます
  • 終身年金
    被保険者が生存している限り、一生涯年金を受け取れるタイプです。平均寿命の長い女性の方が年金受取総額が多くなると見込まれるため、女性の保険料は男性より高く設定されています。
  • 保証期間付終身年金
    終身年金に保証期間が付いたタイプです。保証期間中に被保険者が死亡した場合は、残存期間分の年金または一時金が遺族に支払われます。こちらも、女性の方が保険料が高く設定されています。
  • 夫婦年金
    終身年金の一種で、夫婦のいずれかが生存している限り年金を受け取れるタイプです。一方が死亡した後の年金額は、同額のまま継続される場合と、減額される場合があり、保険商品によって異なります。年金原資が同じであれば、夫または妻単独の終身年金よりも、毎年の年金額は少なくなる傾向があります。また、加入時には夫婦の年齢差に制限が設けられている場合があります。

変額個人年金保険

 
変額個人年金保険とは、保険会社が特別勘定(株式や債券など)で資産運用を行い、運用実績に応じて年金額や解約返戻金額が変動する保険です。契約時に定めた年齢に達すると、年金の受け取りが開始されます。
年金の受け取り方法は、一般的な個人年金保険と同様に複数の選択肢(確定年金、有期年金、終身年金など)があります。年金受取開始前に死亡した場合には、死亡給付金が支払われますが、その金額には最低保証があるのが一般的です。一方で、解約返戻金には最低保証がないため、運用実績によっては元本割れの可能性もあります。
この保険は、老後資金を準備しながら資産運用の効果も期待したい方に向いていますが、運用リスクを理解したうえでの加入が重要です。

こども保険

 
こども保険とは、子どもの入学や進学などの節目に合わせて、祝い金や満期保険金を受け取ることができる保険です。教育資金の準備を目的とした貯蓄型の保険として、多くの家庭で利用されています。
契約時に定めた年齢や進学時期に応じて、祝い金や満期保険金が支払われます。契約者(通常は親)が死亡または所定の高度障害状態になった場合、それ以降の保険料の支払いは免除されます。その後も、契約時に定めた内容に従って、祝い金や満期保険金を受け取ることができます。被保険者である子どもが満期時に生存していれば、満期保険金が支払われます。一方で、満期前に子どもが死亡した場合には、所定の死亡給付金が支払われます。
この保険は、教育資金の計画的な準備と、万が一の際の保障を両立できる商品です。

特定疾病(三大疾病)保障特約

 
特定疾病(三大疾病)保障特約とは、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)により所定の状態になった場合に、死亡保険金と同額の特定疾病保険金を生前に受け取ることができる特約です。
特定疾病保険金を受け取った時点で、契約は消滅します。万が一、三大疾病以外で死亡または所定の高度障害状態になった場合には、死亡保険金または高度障害保険金が支払われます。
この特約は、三大疾病に備えつつ、万が一の際に経済的な支援を受けられる仕組みです。

災害割増特約

 
災害割増特約とは、不慮の事故や特定感染症が原因で、発症または事故発生から180日以内に死亡または所定の高度障害状態になった場合に、通常の保険金に加えて割増された保険金を受け取ることができる特約です。
この特約は、予期せぬ災害によるリスクに備えるための保障を強化するもので、万が一の際に遺族の生活支援や医療費の補填に役立ちます。

傷害特約

 
傷害特約とは、不慮の事故や特定感染症が原因で、発症または事故発生から180日以内に死亡または所定の身体障害状態になった場合に、保険金または給付金を受け取ることができる特約です。
この特約は、予期せぬ事故や感染症による身体的な損傷に備えるための保障を提供します。死亡や身体障害の程度に応じて、所定の金額が支払われる仕組みです。

疾病入院特約

 
疾病入院特約とは、病気によって入院した際に、所定の日数に応じて入院給付金を受け取ることができる特約です。また、病気や不慮の事故により所定の手術を受けた場合には、手術給付金が支払われます。
この特約は、医療費の負担軽減や治療中の生活支援を目的として、主契約に追加することで保障を充実させることができます。

災害入院特約

 
災害入院特約とは、不慮の事故により、事故発生から180日以内に入院した場合に、入院給付金を受け取ることができる特約です。
この特約は、突発的な事故による入院に備えるための保障を強化するもので、医療費の負担軽減や治療中の生活支援に役立ちます。

通院特約

 
通院特約とは、入院給付金の支払い対象となる入院を経て退院した後、その入院の直接の原因となった病気やけがの治療を目的として通院した場合に、通院給付金を受け取ることができる特約です。
この特約は、退院後の継続的な治療や回復支援に備えるための保障を提供し、医療費の負担軽減に役立ちます。

生活習慣病(成人病)入院特約

 
生活習慣病(成人病)入院特約とは、以下の生活習慣病(成人病)により入院した場合に、入院給付金を受け取ることができる特約です。

  • がん(悪性新生物)
  • 脳血管疾患(脳卒中など)
  • 心疾患(心筋梗塞など)
  • 高血圧性疾患
  • 糖尿病

これらの疾病は、長期的な治療や入院が必要となるケースが多いため、医療費の負担を軽減する目的でこの特約が活用されます。

女性疾病入院特約

 
女性疾病入院特約とは、女性特有の病気やがんなど、所定の疾病で入院した場合に入院給付金を受け取ることができる特約です。
対象となる主な疾病には、以下のようなものが含まれます。

  • 子宮や卵巣、乳房などの女性特有の疾患
  • 甲状腺障害
  • 女性に多く見られるがん(乳がん、子宮がんなど)

この特約は、女性特有の健康リスクに備え、医療費の負担を軽減するために設けられた保障です。主契約に追加することで、より手厚い医療保障を確保することができます。

がん入院特約

 
がん入院特約とは、がん(悪性新生物)で入院した場合に、入院給付金を受け取ることができる特約です。
この特約を付加することで、がん治療に伴う入院費用の負担を軽減することができ、治療に専念できる環境を整えることが可能になります。

特定損傷特約

 
特定損傷特約とは、不慮の事故によって骨折・脱臼・腱の断裂など、所定の損傷を負い、治療を受けた場合に給付金を受け取ることができる特約です。
この特約は、日常生活やスポーツなどで起こりやすいケガに備えるための保障であり、医療費の補填や治療期間中の生活支援に役立ちます。

先進医療特約

 
先進医療特約とは、公的医療保険の対象外である先進的な医療技術のうち、厚生労働大臣が承認した医療機関で実施される「先進医療」に該当する治療を受けた場合に、給付金を受け取ることができる特約です。
この特約は、高度な医療技術による治療を受ける際に発生する高額な費用を補償するための保障であり、医療の選択肢を広げることができます。

介護特約

 
介護特約とは、所定の介護状態に該当し、その状態が一定期間継続した場合に、一時金や年金などの給付金を受け取ることができる保険の特約です。

リビング・ニーズ特約

 
リビング・ニーズ特約とは、被保険者が医師により余命6か月以内と診断された際に、生前に死亡保険金の一部または全額を受け取ることができる特約です。なお、この特約に対する保険料は不要です。

指定代理店請求特約

 
入院給付金や特定疾病保険金などの受取人は通常、被保険者ですが、意思表示ができないなど特別な事情により請求が困難な場合、あらかじめ指定された代理人が代わって請求できる特約です。契約者は、被保険者の同意を得たうえで、契約時または契約後に代理請求人を指定します。この特約に対する保険料は不要です。

保険料払込免除特約

 
保険料払込免除特約とは、被保険者が三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)により所定の状態となった場合、または所定の身体障害状態や要介護状態などに該当した場合に、それ以降の保険料の払い込みが免除される特約です。


少額短期保険

 
少額短期保険とは、保険金額が少額で、保険期間が原則1年以内(損害保険分野では最長2年)に限定された保険です。一定の事業規模の範囲内で、保障性商品の引受けのみを行う事業として少額短期保険業が制度化されています。
この少額短期保険業では、保険の種類ごとに1被保険者に対する保険金額の上限が定められており、以下のとおりです。
 

区分

保険金額の上限

死亡保険

300万円以下

医療保険(障害・疾病保険)

80万円以下

疾病等を原因とする重度障害保険

300万円以下

傷害を原因とする特定重度障害保険

600万円以下

傷害死亡保険

300万円以下(調整規程付きの場合は600万円)

損害保険

1,000万円以下

低発生率保険

1,000万円以下

※上記の保険金額の合計は、1被保険者につき最大1,000万円までとなります。


かんぽ生命の保険商品

 
かんぽ生命は、全国の郵便局を通じて、養老保険や終身保険を中心とした、簡易で少額の保険商品および各種サービスを提供しています。
かんぽ生命の保険商品には、以下の3つの主な特徴があります。

  • 無審査で加入可能
  • 職業による加入制限なし
  • 契約金額に上限あり

保険金額の上限は、原則として1,000万円(被保険者が15歳以下の場合は700万円)です。ただし、被保険者が20歳以上55歳以下で、一定の条件を満たす場合には、最大2,000万円まで契約可能です。
また、契約日から1年6か月を経過した後に、不慮の事故が直接の原因で事故発生日から180日以内に死亡した場合、または所定の感染症により死亡した場合には、保険金が2倍となる倍額支払制度が適用されます。一方、契約日から1年6か月以内に死亡した場合は、保険金の一部が削減されることがあります。


共済の保険商品

 
共済とは、生命保険と同様に相互扶助の理念に基づいた制度です。生命保険が不特定多数の人を対象としているのに対し、共済は特定の職域や地域の人々を対象としている点に特徴があります。
代表的な制度共済には、以下のようなものがあります。

  • こくみん共済(国民共済COOP〈全労済〉が提供)
  • JA共済(全国農業協同組合連合会〈JA〉が提供)
  • 都道府県民共済(各都道府県単位で加入)
  • CO・OP共済(日本生活協同組合連合会が提供)

これらの共済は、加入者同士が助け合う仕組みのもと、比較的手頃な保険料で基本的な保障を提供することを目的としています。


総合福祉団体定期保険(Aグループ保険)

 
総合福祉団体定期保険とは、企業などの団体が契約者(保険料負担者)となり、従業員全員(役員を含む)を被保険者とする、保険期間1年の定期保険です。
従業員が死亡または所定の高度障害状態になった場合、原則として従業員本人またはその遺族に保険金が支払われます。契約にあたっては、従業員や役員の同意および保険約款に基づく告知が必要です。
また、従業員や役員が死亡した場合、企業はその人材が生み出していた利益を失うだけでなく、新たな人材の採用にかかる費用などの負担が発生します。こうした損失に備えるために、ヒューマンバリュー特約を付加することが可能です。この特約を付加することで、企業は従業員・役員の死亡時に発生する費用を補填するための特約死亡保険金を法人が受け取ることができます。


団体定期保険(Bグループ保険)

 
団体定期保険とは、総合福祉団体定期保険とは異なり、従業員や役員が任意で加入し、自ら保険料を負担する、保険期間1年の定期保険です。この保険には、本人だけでなく配偶者や子どもも加入可能ですが、配偶者や子どもだけでの加入はできません。
従業員・役員本人が保険料を負担するものの、個人で保険に加入する場合と比べて保険料が割安である点が特徴です。また、個人契約扱いとなるため、支払った保険料は生命保険料控除の対象となり、所得税や住民税の軽減につながります。


団体信用生命保険(団信)

 
団体信用生命保険(通称「団信」)とは、住宅ローン専用の保険であり、ローン返済期間中に契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、その時点の住宅ローン残高と同額の保険金が支払われる仕組みです。この保険により、万が一の際には住宅ローンの残債が完済され、遺族にローン返済の負担が残らないように設計されています。
なお、団信の保険契約者および保険金受取人は金融機関となるため、契約者本人が保険料を負担していても、生命保険料控除の対象にはなりません。そのため、年末調整や確定申告での所得税・住民税の軽減には利用できない点に注意が必要です。