最終更新日: 2024-03-13

株式のきほん

 
株価表示板

株式

 
株式とは、投資家から集めた資金に対して発行する証書のことです。


株主

 
株主とは、資金を提供し、株式を購入した投資家のことです。
株主には、様々な権利や責任が与えられます。
例えば、会社が利益を出した場合に、持ち株数に応じて利益の分配を受ける権利(余剰金配当請求権)や、株主は会社の出資者のひとりなので、会社の経営に参加する権利(議決権)、会社が解散した場合に、持ち株数に応じて残った財産の分配を受ける権利(残余財産分配請求権)等が与えられます。
その場合、株式を購入するために提供した資金は返還されません。
また、会社によっては、持ち株数に応じて自社の商品や優待券等を株主へ提供することもあり、これを株主優待といいます。


株式を売買する場所

 
株式は通常、一定の資格を持った証券会社を通じて、証券取引所で売買されます。
株式を売買するためには、証券会社に口座開設書類を提出し、マイナンバーおよび本人確認書類(運転免許証、印鑑証明書、住民票の写し等)を提出し、口座開設をする必要があります。
証券会社が株式売買の仲介をするので、株式を売買した場合には、証券会社に手数料(株式売買手数料)を支払わなければなりません。
証券取引所は、東京証券取引所名古屋証券取引所福岡証券取引所札幌証券取引所の4つの証券取引所があります。
東京証券取引所は、市場区分がプライムスタンダードグロースの3つに分かれています。
名古屋証券取引所は、市場区分がプレミアメインネクストの3つに分かれています。


株式の売買単位

 
株式の売買単位のことを単元株といいます。
証券取引所での株式の売買においては、銘柄ごとに定められている単元株の整数倍で注文を出さなければなりません。
内国株式の1単元の株数は、2018(平成30)年10月1日から100株に統一されました。


株式の注文方法

 
証券取引所に上場している株式の注文方法には、指値注文(売買価格を指定して注文する方法)と成行注文(売買価格を指定しないで注文する方法)があります。
 
また、証券取引所では、次の3つの原則に従って注文を成立させます。
 
成行注文優先の原則
指値注文より成行注文の方が優先されます。
 
価格優先の原則
買い注文については、最も高い価格が優先されます。
売り注文については、最も低い価格が優先されます。
 
時間優先の原則
同じ価格の注文が複数ある場合は、時間の早い注文が優先されます。


株式の値幅制限

 
日本国内の証券取引所では、一日の売買における値動きの幅を制限して、株価が暴騰したり、暴落したりすることを防いでいます。
この値幅制限の上限まで株価が上昇することをストップ高、下限まで下落することをストップ安といいます。


株式の決済(受け渡し)

 
株式の売買の種類には、普通取引当日決済取引発行日決済取引の3種類があります。
最も一般的な普通取引においては、約定日(売買成立日)から起算して3営業日目に受け渡しが行われます。
国内の証券取引所に上場している外国株式を国内委託取引により売買した場合の決済日(受渡日)も同様です。


信用取引

 
信用取引とは、顧客が一定の委託保証金を証券会社に担保として預け、買付資金または売付証券を借りて株式の売買を行う取引のことです。
所定の期限内に決済を行う必要があり、決済方法には差金決済(反対売買による決済)と現物決済(買付代金を支払う現引き、売付株券を渡す現渡し)があります。
信用取引では、買いから取引を開始することも、売りから取引を開始することもできます。
一般に、委託保証金の率は30%以上であり、委託保証金の約3.3倍までの取引が可能です。
この委託保証金よりも多額の取引ができる特徴をレバレッジ効果といい、株価が顧客の予想どおりに動いた場合には大きな利益を得ることができますが、逆に動いた場合には大きな損失を被ることになります。
委託保証金は、現金以外に一定の有価証券で代用することも認められています。
また、信用取引で購入した株式が下落し、契約した委託保証金維持率を下回る場合は、追加保証金を差し入れる必要があり、これを追証といいます。

制度信用取引と一般信用取引

 
信用取引には、制度信用取引一般信用取引があります。
 
制度信用取引は、対象銘柄や返済期限等の事項が取引所によって定められています。
一般信用取引は、対象銘柄、品貸料、返済期限、権利処理方法等の事項を、顧客と証券会社等の金融商品取引業者との合意によって決めます。
 
制度信用取引と一般信用取引の対象銘柄と返済期限の違いは、下表のとおりです。
 

 

制度信用取引

一般信用取引

対象銘柄

国内上場銘柄のうち、取引所が基準を満たすものとして選定した銘柄(制度信用銘柄)

国内上場銘柄のうち、証券会社が選定した銘柄

返済期限

最長6か月

証券会社が自由に決定(無期限とする場合もある)


株式ミニ投資(ミニ株)

 
株式ミニ投資(ミニ株)とは、通常の株式取引よりも少ない資金で株式を購入できる取引方法のことです。
通常の株式取引では、単元株の整数倍でしか購入することができませんが、株式ミニ投資なら単元株の1/10の株数を売買単位として株式を売買することができます。
ただし、売買注文において指値注文はできず、売買注文の日の翌取引日における始値もしくは売買高加重平均価格等が売買価格となります。
株式ミニ投資を利用して株式を購入した場合、株式の名義人は取扱証券会社の株式ミニ投資口名義となるため、株主の権利のひとつである議決権を行使することはできません


株式累積投資(るいとう)

 
株式累積投資(るいとう)とは、毎月定額で株式を購入する投資方法のことです。
ただし、売買注文において指値注文はできません
定期的に定額で株式を買い続けるので、株価が高いときは少しの株数だけ、安いときには多くの株数を購入することができ、結果として平均買付コストを下げる効果があります。
このような運用テクニックをドル・コスト平均法といいます。
株式ミニ投資と同様に、株式累積投資を利用して株式を購入した場合、株式の名義人は取扱証券会社の株式累積投資口名義となるため、株主の権利のひとつである議決権を行使することはできません


株式の投資指標

 
株式投資の判断基準となる主な指標には、次のようなものがあります。

株価収益率(PER・Price Earnings Ratio)

 
株価収益率(PER)とは、株価が1株あたりの純利益(EPS)の何倍になっているかを知る指標のことです。
 
株価収益率(PER)は、次の式で計算します。
 

株価純資産倍率(PBR・Price Book-value Ratio)

 
株価純資産倍率(PBR)とは、株価が1株あたりの純資産(BPS)の何倍になっているかを知る指標のことです。
 
株価純資産倍率(PBR)は、次の式で計算します。
 

自己資本利益率(ROE・Return on Equity)

 
自己資本利益率(ROE)とは、自己資本(純資産)に対して、どれだけの利益(当期純利益)が生まれたかを示す指標のことです。
 
自己資本利益率(ROE)は、次の式で計算します。
 

配当利回り

 
配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標のことです。
 
配当利回りは、次の式で計算します。
 

配当性向

 
配当性向とは、当期純利益に対する年間配当金の割合を示す指標のことです。
 
配当性向は、次の式で計算します。
 

自己資本比率

 
自己資本比率とは、総資本(純資産+負債)に対する自己資本(純資産)の割合を示す指標のことです。
一般的に自己資本比率は、40〜50%だと望ましいとされています。
 
自己資本比率は、次の式で計算します。
 

総資本回転率

 
総資本回転率とは、総資本(純資産+負債)に対して、どのくらい売上高が生まれたのかを示す指標のことです。
 
総資本回転率は、次の式で計算します。
 


株式に係る税金

 
株取引では、得られた利益に対して税金がかかります。
株取引で得られる利益には、譲渡益配当金があります。

上場株式等の譲渡損益に係る税金

 
株式を売却したことによる譲渡益は、譲渡所得として課税されます。
所得税(15%)+復興特別所得税(0.315%)+住民税(5%)=20.315%の申告分離課税の対象となります。
なお、「源泉徴収あり」の特定口座を利用した場合には、税金が源泉徴収されますので、確定申告は不要となります。 
 
上場株式等の譲渡損失は、他の上場株式等の譲渡益と損益通算ができます。
また、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得、特定公社債等の利子所得とも損益通算ができます。
この損益通算後の最終的な譲渡所得等の金額に、申告分離課税の税率を掛けて算出した金額が、確定申告により納税する金額となります。
 
また、損益通算をしても、その年に控除しきれない譲渡損失の金額がある場合には、確定申告により翌年以降3年間の上場株式等に係る譲渡益と損益通算ができます。これを3年間の譲渡損失の繰越控除といいます。
譲渡損失の金額を繰り越している間は、継続して確定申告する必要があります。

上場株式等の配当金に係る税金

 
株式の配当金については、配当所得として課税されます。
所得税(15%)+復興特別所得税(0.315%)+住民税(5%)=20.315%の総合課税の対象となりますが、配当金を受け取るときに税金が源泉徴収される確定申告不要を選択することもできます。
ただし、総合課税を選択し、確定申告をした場合のみ、税額控除としての配当控除が認められます。
また、配当所得は、申告分離課税を選択することもでき、上場株式等の譲渡損失と損益通算ができます。