個人事業税
最終更新日: 2024-11-03

個人事業税とは

 
個人事業税とは、個人が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金のことです。
現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。
都道府県が課税する地方税で、都道府県内に事務所や事業所を設けて、法定業種の事業を行っている個人に課税されます。


個人事業税の税額の計算

 
個人事業税は、次の式で計算します。
 

個人事業税 = ( 事業所得金額 − 純損失の繰越控除等 − 事業主控除額 ) × 税率

※「事業所得金額」は、不動産所得事業所得が対象です。
※「事業主控除額」は、年290万円です。事業を行った期間が1年未満のときは、月割計算で控除額を計算します。
※「税率」は、法定業種によって異なります。


税率

 
個人事業税の税率は、事業区分ごとに異なり、下表のとおりです。
 

 区分

税率

事業の種類

第1種事業(37種)

5%

物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業

第2種事業(3種)

4%

畜産業、水産業、薪炭製造業

第3種事業(30種)

5%

医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業

3%

あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業


個人事業税の申告と納付

 
前年の事業の所得が事業主控除額を超える場合には、個人事業税の申告書を翌年3月15日までに事業所等の所在地の都道府県知事に提出する必要があります。
ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした場合には、個人事業税の申告をする必要はありません。
 
なお、年の中途で事業を廃止した場合は、所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は、4か月以内)に個人事業税の申告をしなければなりません。
 
個人事業税は、普通徴収の方法で納付し、原則として8月と11月の年2回です。


個人事業税と所得税の違い

 
個人事業税と所得税の主な違いは、下表のとおりです。
 

 

個人事業税

所得税

課税対象

事業所得と不動産所得のみ

10種類の所得

不動産所得(赤字)との損益通算

土地取得のための負債利子部分の赤字を事業所得と通算できる

土地取得のための負債利子部分の赤字は他の所得と通算できない

青色申告特別控除

控除できない

控除できる

青色事業専従者給与

扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除を受けていても、労働の対価として相当であれば必要経費となる

扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除を受ける人は給与等の必要経費が認められない

白色事業専従者控除

扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除を受けていても、労働の対価として相当であれば必要経費となる

扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除を受ける人は控除が認められない

事業用資産の譲渡損失

事業所得上の損失として控除でき、翌年以降3年間繰越可能

譲渡所得の損失として内部通算し、その後他の所得と損益通算

人的控除等

事業主控除290万円のみ

超過累進税率

不動産所得の事業的規模

1戸建て:10棟
貸室:10室
駐車場:10台
貸地:10件

1戸建て:5棟
貸室:10室
駐車場:50台
貸地:50件