最終更新日: 2024-03-13

外貨建て金融商品のきほん

 
ファイナンスのイメージ

外貨建て金融商品とは

 
外貨建て金融商品とは、外国の通貨で取引される金融商品のことです。
為替レートの変動により、換金や満期のときに円での手取り額が購入したときの金額を上回る場合も下回る場合もあります。
購入時より円高になると、円での手取り額が減り、為替差損を被ります。
逆に、円安になると、円での手取り額が増え、為替差益を得ることができます。 
 
為替レートには、
 

  • TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate):円を外貨に換えるときの為替相場
  • TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate):基準となる為替相場
  • TTB(Telegraphic Transfer Buy Rate):外貨を円に換えるときの為替相場

 
があります。
 
TTSとTTBは、次のように覚えましょう!
 

FP検定語呂合わせ暗記_TTSとTTB

外貨建て金融商品の種類

 
主な外貨建て金融商品には、次のようなものがあります。

外貨預金 

 
外貨預金とは、米ドルやユーロ、英ポンド等の外貨建ての預金のことです。
外貨預金のメリットは、海外の高い金利を得ることができるのと、為替差益を得る可能性があることです。
デメリットは、為替差損を被る可能性があるのと、預金保険制度対象外であることです。
 
利息は、利子所得として源泉分離課税の対象となります。
為替予約をしていない外貨預金の為替差損益は、雑所得として総合課税の対象となります。
為替予約をしている外貨預金の為替差損益は、雑所得として源泉分離課税の対象となります。

外貨建てMMF(Money Market Fund)

 
外貨建てMMFとは、外貨建ての公社債や短期金融商品等を運用する投資信託のことで、株式は組み入れません。
申込手数料は無料で、いつでもペナルティなしで換金することができるので、流動性が高い商品です。
取引するためには、証券会社等に外国証券取引口座の開設が必要ですが、口座管理料は無料です。
売却益為替差益)は、譲渡所得として申告分離課税の対象となります。

外国債

 
外国債とは、発行者、発行場所、通貨のいずれかが外国である債券のことです。
取引するためには、証券会社等に外国証券取引口座を開設する必要があります。
 
払込み利払い償還のすべてが外貨建ての債券で、外国の発行者が日本国内で発行するものをショーグン債といいます。
払込み利払い償還のすべてが円建ての債券で、外国の発行者が日本国内で発行するものをサムライ債といいます。
 
払込み利払い同じ通貨で、償還異なる通貨のものをデュアルカレンシー債といいます。
払込み償還同じ通貨で、利払い異なる通貨のものをリバース・デュアルカレンシー債といいます。
 
利息は、利子所得として課税されます。
外国で利息に税金が源泉徴収された場合は、その分を差し引いた金額に対して課税されます。
また、確定申告すれば、外国で課税された分は外国税額控除が適用され、所得税や住民税から外国での課税分を一定の範囲内で差し引くことができます。
また、利付債やゼロ・クーポン債の償還差益売買益は、譲渡所得として申告分離課税の対象となります。

外国株式

 
外国株式とは、外国籍の企業が発行している株式のことです。
取引するためには、証券会社等に外国証券取引口座を開設する必要があります。
配当金配当所得として源泉徴収され、売却益譲渡所得として申告分離課税の対象となります。

外国籍投資信託

 
外国籍投資信託とは、外国において現地の法令や規則に基づいて設立された投資信託のことです。
売却益為替差益)は、譲渡所得として申告分離課税の対象となります。

外国為替証拠金取引(FX)

 
外国為替証拠金取引(FX)とは、証拠金を担保として外国通貨の売買を行う取引で、先物取引の一種です。
少額の証拠金を出して、その数十倍の取引ができるので、ハイリスク・ハイリターンの取引となります。
収益は先物取引に係る雑所得となり、損失については他の所得との損益通算はできません。
申告分離課税の対象なので、確定申告が必要です。