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遺族基礎年金とは?FPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-09-12

遺族基礎年金とは

 
遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者または被保険者であった人が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族の生活の安定を図るために支給される公的年金です。


遺族基礎年金の受給要件

 
遺族基礎年金を受給するためには、亡くなった人が次のいずれかに該当している必要があります。

  • 国民年金の被保険者が死亡したとき
  • 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所を有していた人が死亡したとき
  • 老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人が死亡したとき

 
なお、老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人とは、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間および65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間が25年以上ある人をいいます。
 
また、上記の要件に加えて、次のいずれかの保険料納付要件を満たしている必要があります。

  • 死亡日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が、国民年金加入期間の3分の2以上あること
  • ただし、死亡日が2036(令和18)年3月31日までのときは、死亡した人が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと

遺族基礎年金の受給対象者

 
遺族基礎年金の受給対象となるのは、死亡した人によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。配偶者には、法律上の婚姻関係にある人だけでなく、事実上夫婦として生活していた内縁関係の人も含まれます。
 
生計維持要件は主に収入によって判断されます。一般的には、前年の収入が850万円未満、または所得が655万5,000円未満であることが目安です。
また、「生計を維持されていた」とは、必ずしも同居していることを意味するわけではありません。例えば、進学や単身赴任などの理由で別居していても、亡くなった人から継続的に生活費の仕送りを受けていた場合は、生計維持関係が認められることがあります。
 
遺族基礎年金の受給対象となる「子」とは、次のいずれかに該当する人をいいます。
・18歳到達年度の末日(3月31日)までの子
・20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子
なお、死亡した方の死亡当時に胎児であった子は、出生後に受給対象となります。


遺族基礎年金の年金額

 
2026(令和8)年度の遺族基礎年金の年金額は、次のとおりです。
 

1956(昭和31)年4月2日以後生まれの人:847,300円 + 子の加算額
1956(昭和31)年4月1日以前生まれの人:844,900円 + 子の加算額

 

子の加算額

 
遺族基礎年金を受給する人に生計を同じくする子がいる場合は、子の人数に応じて加算額が上乗せされます。
 

対象となる子

加算額

第1子・第2子

各243,800円

第3子以降

各81,300円


寡婦年金とは

 
寡婦年金とは、国民年金の第1号被保険者であった夫を亡くした妻に支給される年金です。夫が生前に老齢基礎年金や障害基礎年金を受給していなかった場合に、残された妻の生活を支援することを目的として、一定の要件を満たした場合に支給されます。
遺族基礎年金が主に子のある配偶者や子を対象としているのに対し、寡婦年金は一定の要件を満たした妻であれば、子がいない場合でも受給できる点が特徴です。
 

寡婦年金の受給要件

 
寡婦年金を受給するためには、次のすべての要件を満たす必要があります。

  • 夫が死亡日の前日において、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上あること
  • 夫と10年以上継続して婚姻関係にあったこと(事実婚を含む)
  • 夫の死亡時、妻が夫によって生計を維持されていたこと
  • 夫の死亡時、妻が65歳未満であること

 

寡婦年金の年金額

 
寡婦年金の年金額は、夫が受け取ることができた老齢基礎年金額の4分の3に相当する額です。
寡婦年金は、原則として妻が60歳に達した後に受給でき、65歳になるまで支給されます。
なお、夫が死亡した時点で妻が60歳未満の場合は、60歳になるまで支給されません。また、65歳になると寡婦年金の支給は終了し、妻自身の老齢基礎年金を受給することになります。
また、老齢基礎年金の繰上げ受給を請求した場合は、寡婦年金を受ける権利がなくなるため注意が必要です。


死亡一時金とは

 
死亡一時金とは、国民年金の第1号被保険者として保険料を納付した人が、老齢基礎年金または障害基礎年金を受給しないまま死亡した場合に、その人によって生計を同じくしていた遺族に支給される一時金です。
死亡一時金を受け取るためには、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が36か月以上ある必要があります。
なお、一部免除期間については納付割合に応じて換算されます。例えば、4分の3免除期間は4分の1、半額免除期間は2分の1、4分の1免除期間は4分の3として計算されます。
死亡一時金の請求期限(時効)は、死亡日の翌日から2年以内です。
 

遺族の優先順位

 
死亡一時金は、死亡した人と生計を同じくしていた遺族のうち、次の順序で優先順位の高い人に支給されます。

  1. 配偶者
  2. 子
  3. 父母
  4. 孫
  5. 祖父母
  6. 兄弟姉妹

 
ただし、遺族基礎年金を受給できる場合は、死亡一時金は支給されません。
また、寡婦年金の受給要件を満たしている場合は、寡婦年金と死亡一時金の両方を受け取ることはできず、いずれか一方を選択する必要があります。
 

死亡一時金の額

 
死亡一時金の額は、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した月数に応じて、次のとおりです。
 

合計月数

支給額

36か月以上180か月未満

120,000円

180か月以上240か月未満

145,000円

240か月以上300か月未満

170,000円

300か月以上360か月未満

220,000円

360か月以上420か月未満

270,000円

420か月以上

320,000円

 
なお、付加保険料の納付済期間が36か月以上ある場合は、上記金額に8,500円が加算されます。


FP試験での出題ポイント

 
FP試験では、次のポイントを重点的に押さえておくと得点源になります。
 
① 受給要件

  • 遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡した場合に支給される。
  • 遺族基礎年金の保険料納付要件として、「加入期間の3分の2以上の納付・免除期間」または「直近1年間の未納なし」が問われる。

 
② 受給対象者

  • 遺族基礎年金の受給対象者は、「子のある配偶者」または「子」である。
  • 遺族基礎年金の対象となる子は、18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にある子である。
  • 胎児は出生後に遺族基礎年金の対象となる。
  • 遺族基礎年金には、生計維持要件がある。

 
③ 年金額

  • 遺族基礎年金には、子の人数に応じた加算額がある。

 
④ 寡婦年金

  • 寡婦年金は、国民年金第1号被保険者であった夫を亡くした妻に支給される。
  • 寡婦年金は、子がいなくても受給できる場合がある。
  • 寡婦年金を受給するには、夫の保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が一定期間以上必要である。
  • 寡婦年金は、原則として60歳から65歳まで支給される。
  • 老齢基礎年金の繰上げ受給を請求すると、寡婦年金の受給権は消滅する。

 
⑤ 死亡一時金

  • 死亡一時金は、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給しないまま死亡した場合に支給される。
  • 死亡一時金を受給するには、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が36か月以上必要である。
  • 死亡一時金の請求期限(時効)は死亡日の翌日から2年である。
  • 死亡一時金の受給順位は「配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹」の順である。
  • 遺族基礎年金を受給できる場合、死亡一時金は支給されない。
  • 寡婦年金と死亡一時金は重複受給できず、どちらか一方を選択する。