最終更新日: 2024-06-02
青色申告・白色申告
青色申告とは
青色申告とは、複式簿記に基づいて取引を帳簿に記帳し、その記帳に基づいて所得税を計算し、正しく申告する場合において、青色申告者として承認された場合に、税務上の優遇措置を受けることができる申告方式のことです。
青色申告の特典
青色申告の税務上の主な特典には、次のようなものがあります。
青色事業専従者給与
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、原則としてその承認を受けようとする年の3月15日までに青色事業専従者給与に関する届出書を提出することにより、労務の対価として適正な金額を必要経費に算入することができます。
なお、その年の1月16日以降に新たに専従者を有することになった場合には、その業務を開始した日またはその専従者を有した日から2か月以内に青色事業専従者給与に関する届出書を提出しなければなりません。
ただし、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人は、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除の対象外となります。
貸倒引当金
事業所得のある青色申告者で、その事業で生じた売掛金や貸付金等の貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費とすることができます。
金融業の場合は、3.3%になります。
純損失の繰越控除と繰戻還付
事業所得等に損失が生じた場合で、損益通算をしてもなお控除しきれない部分の金額が生じたときには、その損失を翌年以降3年間(令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害に係る部分等については5年間)にわたって繰り越して各年分の所得金額から控除することができます。
この純損失の繰越控除は、期限内申告、期限後申告、修正申告、更正の請求のいずれの方法でも適用を受けることができます。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越控除に代えてその損失を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができます。
この純損失の繰戻還付は、期限内申告が要件となります。
中小企業者等の少額減価償却資産の必要経費算入
青色申告者が取得価格10万円以上30万円未満の少額減価償却資産を取得等し、その業務に使用した場合には、その業務に使用した年度で取得価格を必要経費に算入することができます。
ただし、貸付の用に供した資産はその対象資産から除外されます(資産の貸付を主要な事業として行う場合を除く)。
なお、この特例の適用を受ける資産の合計は、年300万円が限度となります。
また、この特例を受けるためには、青色申告決算書の減価償却費の計算欄に一定の事項を記載して確定申告書に添付して提出し、少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管することにより適用を受けることができます。
期限内申告、期限後申告により適用を受けることができます。
事業専従者控除
事業主と生計を一にする配偶者やその他の親族(15歳以上)で、原則として1年のうち6か月超の期間、事業に従事する人を事業専従者といいます。
事業専従者1人につき、次の①または②のいずれか少ない方の金額を事業専従者控除額として、必要経費に算入することができます。
① 年間50万円(配偶者の場合は、年間86万円)
② ( 事業所得 + 不動産所得 + 山林所得 ) ÷ ( 事業専従者の数 + 1 )
帳簿書類の保存期間
青色申告者の帳簿等の保存義務とその期間は、下表のとおりです。
帳簿書類 |
保存期間 |
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帳簿 |
現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳、仕訳帳、総勘定元帳等 |
7年 | |
書類 |
決算関係書類 |
損益計算書、貸借対照表、棚卸表等 |
7年 |
現金預金取引関係書類 |
領収書、小切手帳、預金通帳、借用証等 |
7年 ※ |
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その他の書類 | 取引に関して作成し、または受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状等) |
5年 |
※前々年分所得300万円以下の場合は、5年となります。
白色申告者の帳簿等の保存義務とその期間は、下表のとおりです。
帳簿書類 |
保存期間 |
法定帳簿 |
7年 |
任意帳簿 |
5年 |
その他の書類 |
5年 |